言わずと知れたはんこ屋さん大手の「はんこ屋さん21」ですが、そのビジネスモデルはただの印鑑販売店ではありません。
ハンコを購入しに来た、創業初期の経営者に対して印鑑をはじめとした、様々な事業周辺商材を販売するというのがビジネスモデルです。
実は「稼いでいるのは印鑑だけではない」というのが意外ですよね。その具体的な強み等を下記で解説していきます。
はんこ屋さん21の強み・メリット
印章業界 店舗数No.1の全国チェーン店としての圧倒的な実績
はんこ屋さん21は、創業25年以上の深い歴史を持っており、業界No.1です。
出店エリアとしても、北海道から九州まで幅広く、約300店舗もの数を運営しています。
認知度の高さ〜マスメディアでの露出〜
「印鑑」というと地味な印象が付きがちですが、業界NO1の同社では、メディアでの露出も多いです。
がっちりマンデーでは「儲かるビジネス」として紹介されていますし、マネーの成功グラフでは「業界NO.1のフランチャイズ」として紹介されていますし、日曜ビッグバラエティでも、繁盛店として紹介されています。
ビジネスモデルが秀逸。はんこでは稼がない?
法人を設立して、比較的初期に行うのが「印鑑購入」です。
よくよく考えてみると、法人設立直後の経営者と接点を持つことができるビジネスで「はんこ屋さん」以外はあまり思い浮かばないですよね。
実はこれがはんこ屋さん21の強みに繋がってきます。
会社設立直後は、印鑑の他にもチラシ制作・封筒・名刺作成・看板・HPの作成といった各種販促物など、必要なものが大量にあるのです。
そのため、はんこ屋さん21では「創業初期の経営者と早いタイミングで接触することができる」という強みを活かして、それらの周辺商材を売ることで創業したての忙しい経営者を支援しています。
事実、既存店売上の50%以上は印刷によって成り立っています。
リピート率の高さと、ストックビジネス性
ハンコ以外の周辺商材は、消耗品が多い為、リピート顧客に転換しやすいというのも大きな強みと言えるでしょう。
また、リピート購入のために来店した顧客に対し、新しい商品を提案することもできるので、時間経過とともに顧客あたりの売上は拡大していくという特徴があります。
時間経過と共に、顧客の法人も必要なニーズが変化してきます。
例えば、従業員数が増えてくると、社用携帯なども増えている頃でしょうから、はんこ屋21ではiphone修理まで商売にしています。
顧客属性が幅広く、不景気にも比較的強い
法人であればニーズがあるので、顧客属性は幅広いです。
飲食、小売、美容、医療など、まさに業界を跨いでニーズがあります。
そのため、仮にコロナ等のマクロ環境の変化があっても、顧客の属性が広いが故に、比較的リスクを分散させて経営をする事ができます。
加盟店継続率は90%以上!
フランチャイズを検討する際は「加盟店継続率」を聞くことを推奨しています。
はんこ屋さん21では加盟店継続率が90%以上もの驚異的な実績値となっており、加盟店の満足度の高さを感じさせられます。
加盟継続率を支える、本部の運営サポート
本部のスーパーバイザーは、毎月お店を訪問してくれることになっており、マーケティングや、接客力向上、他店舗での成功事例共有などのフォローをしてくれます。
店舗数が多いが故に「他の店舗との業績比較が容易である」という特徴があるため、取り扱い別の売上構成の差や単価などの違いから、的確なアドバイスをもらう事が可能です。
はんこ屋さん21の弱み・事業課題、デメリット
近年、印鑑をネットで注文できるサービスが拡大してきているのは事業脅威と言えるでしょう。
またコロナ禍ではテレワークが増えたことにより、対面で押印する習慣が足かせになっていることからオンライン契約が進みました。
しかし、印鑑が完全になくなることは考え辛いため、結局印鑑を持たない法人は今後もないでしょう。
事実googleで「印鑑」と検索する動向を調査してみると、意外なことに2004年以降、右肩上がりで増加傾向にあることが分かります。
ロイヤリティ・開業資金と契約期間
はんこ屋さん21では独立開業のためのオーナーの予算額によっても、柔軟に対応できるように、複数の契約タイプの用意があります。
大きな相違点としては、本部が物件を用意することによる店舗取得費と、内・外装費の違いと、初期費用を抑える代わりに、ロイヤリティが3万円Bプランの方が高く設定されている点です。
Aタイプ (資金的に余裕があり、店舗をご用意できるオーナー向け)
■契約期間 5年間
■必要資金 400万円
(店舗取得費と内外装費は別途)
□内訳
加盟金 100万円
保証金 50万円
技術研修費 60万円
初期商材 90万円
開店準備金 100万円
■店舗取得費 オーナーが用意
■内・外装費
■機械設備費 本部がレンタル
■ロイヤリティ 5万円
Bタイプ(400万円の資金で開業できる)
■契約期間 5年間
■必要資金 400万円
□内訳
加盟金 100万円
保証金 50万円
B契約委託金 50万円
技術研修費 60万円
初期商材 90万円
開店準備金 50万円
■店舗取得費 本部が用意
■内・外装費
■機械設備費 本部がレンタル
■ロイヤリティ 8万円
新パッケージ
最近では、新しいパッケージも二つほどあります。
小商圏パッケージ
地元で開業したいオーナーに向けに、開業資金とランニング費用を「280万円」まで圧縮したプランです。
複合店パッケージ
既に運営中の店舗の空きスペースで開業ができるプランです。
既存事業への新規集客にも寄与したり、既存顧客あたりの売上向上にも貢献します。
加盟金とロイヤリティがゼロ円で済むのが大きな特徴で、わずか150万円で開業することが可能です。
収支モデル
選択する開業タイプによっても、収支モデルのシュミレーションは変わります。
物件によって家賃は大きく変わりますが、約10坪程度の店が多いです。
しかし、3坪から20坪の店舗でも開業が可能になっており、地域性や、オーナーの戦略次第で物件は幅広く対応することが可能です。
Aタイプの収支モデル
月商 | 150万円 | 200万円 |
商品仕入(原価) | 55.9万円 | 74.5万円 |
粗利益 | 94.1万円 | 125.5万円 |
固定費計 | 44.1万円 | 58.3万円 |
人件費 | 7.5万円 | 15万円 |
家賃 | 15万円 | 20万円 |
レンタル料金 | 8.5万円 | 8.5万円 |
ロイヤリティ | 5万円 | 5万円 |
広告宣伝費 | 3万円 | 3万円 |
一般管理費 | 5.1万円 | 6.8万円 |
営業利益 | 50万円 | 67.2万円 |
オーナー年収 | 600万円 | 806.4万円 |
Bタイプの収支モデル
月商 | 150万円 | 200万円 |
商品仕入(原価) | 55.9万円 | 74.5万円 |
粗利益 | 94.1万円 | 125.5万円 |
固定費計 | 52.1万円 | 66.3万円 |
人件費 | 7.5万円 | 15万円 |
家賃 | 15万円 | 20万円 |
レンタル料金 | 13.5万円 | 13.5万円 |
ロイヤリティ | 8万円 | 8万円 |
広告宣伝費 | 3万円 | 3万円 |
一般管理費 | 5.1万円 | 6.8万円 |
営業利益 | 42万円 | 59.2万円 |
オーナー年収 | 504万円 | 710.4万円 |
仕事の魅力・やりがい
「提案力」次第でいくらでも事業を伸ばせる点です。
法人が顧客であり、創業初期から付き合うことが多いため、決裁者である経営者にアクセスすることができます。
あくまでも特定領域の法人ではなく、全業界・全規模感の法人がメイン顧客となるため「なぜ今、この商材が必要なのか?」などのトークも全く変わってきます。
ここに、事業を伸ばすポイントがあり、画一された商材しか取り扱わず、売り方も固定されてしまっているような他の業界のフランチャイズよりも、はるかに創意工夫ができるので、経営者としては非常に面白いです。
フランチャイズ加盟オーナーや、顧客からの評判・口コミ・評価
オーナーからの評判・口コミ・評価
直営店やFC店の見学を通し、質問などもしつこいくらいした後に納得感を持って加盟しました。
本部にノウハウを惜しみなく教えてもらいながら、物件選びを行いました。
業界は未経験ではありましたが、とにかくサポートが丁寧だったため、スムーズに立ち上げられました。
加盟の決め手は複数ありましたが、特にマクロ環境に対する強さが魅力的でした。
会社の立ち上げ期が主な顧客との接触タイミングなのですが、不景気だろうと「不景気に強い事業」は世の中に多くあるため、はんこ屋は集客がしっかりとできるというわけです。
顧客からの評判・口コミ・評価
印鑑作成が早いです。本当にありがとうございます。こんなに早く作れるものなんですね。
愛想の良い店長さんでした!
高価なものを押し付けられて失敗しないか心配でしたが、誠実かつ丁寧な接客だったので、これからも長いお付き合いをしたいと思いました。
名刺も作れるんですね
従業員が増えるごとに、依頼してます。一括で色々と頼めるので便利。
開業までの流れ
事業説明会・モデル店見学
説明会に参加して、店舗を見学した上で、契約タイプを選択する事ができます。
加盟申し込み
加盟申込金として10万円を支払いますが、この加盟申込金は加盟契約金の100万円に充当されます。
店舗調査
売上げ予測システムを活用しながら、立地、商圏、環境調査の情報を元に、収益が見込める立地を紹介してくれます。
立地紹介精度は運営年数の店舗の多さが寄与するでしょう。
店舗契約・加盟契約
選択タイプによって、異なりますが、店舗契約を結び、加盟契約金や、補償金、研修費用の支払いを行います。
店舗設計施工
環境調査に基づき、サインプラン、什器レイアウトを決定し、オーナーが確認をした上で施工開始をします。
研修スタート
OJTを含む約4週間の研修プログラムに沿って研修をします。
販促計画
開発担当者、担当スーパーバイザーと共にオープン時の販促計画を立案します。
オープン&オープン研修
オープンとなります。経験豊富な担当スーパーバイザーが、オープン3日間お店に帯同し、各種アドバイスを行なってくれます。
もちろん、サポートはそれで終わりではなく、毎月継続的にアドバイスをもらえる体制になっています。
はんこ屋さん21の会社概要
社名
株式会社グレエイト
設立時期
平成7年(1995年)
本社所在地
110-0005
東京都台東区2-7-7 上野HSビル7階
売上高
17億9666万円(2019年9月期)
店舗数
全国約300店舗(2019年9月時点)
従業員数
69名(2019年9月時点)
事業内容
「はんこ屋さん21」のチェーン展開及び、直営店・FC加盟店の開発及び、
看板商品のはんこ・ゴム印・はがき以外にも、
・名刺・封筒・挨拶状・伝票・会社案内・年賀状等印刷
・広告用名入れ商品(ライター、カレンダー、うちわ、タオル等多数)
・ホームページ制作
・iPhone修理
・合鍵製作
・貴金属買取
など、幅広い商品を取り扱っており、新規商材も拡張中。
※各種情報は調査時点のものです。一部企業の公式ホームページからの情報を元に作成していますが、独自の調査による分析も含まれていますので、正確で詳細な情報は本部に連絡をして確認をしましょう。また、収支モデルなどの数値はあくまでもシュミレーションであり保証されるものではありません。
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