【失敗する?】カラオケ店の開業の極意。開業費用・開業方法など徹底解説

カラオケ店を中心に、カラオケ業態で独立開業を検討している
起業家や、新規事業担当者に向けて、著者のあらゆる人脈を使い、
『これ以上詳しく、カラオケビジネスを論ずるのは難しい』と胸を張って言えるほど、徹底的に調査しました。

しかし、カラオケ業界の開業にまつわる、殆どの事が1つの記事で分かるように作っているため、
記事全体の文章量が多くなってしまっているのが、この記事のデメリットです。

そのため、見出しを参考にしながら『1番知りたい情報だけを、まず読んでみる』という活用の仕方も1つです。

1度で全てを理解しようとするのではなく、ブックマークに登録したりしながら、何度も読み込むのをお勧めいたします。

この記事で分かることの例

  • カラオケ店(カラオケボックス)の基本的な仕組み
  • カラオケ店(カラオケボックス)のビジネスモデル
  • カラオケ店の開業デメリット・弱み
  • カラオケ店の開業メリット・強み
  • カラオケ業界の事業コンセプト・ビジネスモデル一覧
  • 開業資金・開業費用
  • 開業資金の調達方法
  • カラオケ屋の事業計画の事例
  • カラオケ屋の経営に必要な、開業許可手続き・資格
  • カラオケ屋の開業手順・準備
目次

カラオケ店(カラオケボックス)の基本的な仕組み

基本的な利用システム

  • 最近では勉強やミーティングなどのビジネス目的での利用も増えているが、基本的にはカラオケを楽しんでもらう事を目的に、部屋を貸し出す。
  • 食事や飲み物も提供を行うが、こちらは別料金での請求となる。
    ワンドリンク制などが設定されていることが多いが、飲食の持ち込みが無料でできる仕組みもある。
  • 飲み物は、1品ずつの注文も行えるが、ドリンクバーを導入している店舗が多く、夕方以降は、アルコールを含めた飲み放題プランが用意されていることが一般的である。

営業時間

  • 営業時間は、24時間営業の店もあるが、午前5時くらいに閉店してから、昼頃に開店をする事が多い。
  • 平日も休日もニーズがあることから、年中無休で営業しているケースが多い。

料金システム

  • 料金は、30分・1時間など、小刻みに設定されており、時間ごとに利用料が設定されている。
    しかし、基本的には長時間利用を行うほど、時間あたりの利用料金は安くなるように設計がされている。
  • 時間帯によっても、時間あたりの料金が変動し、昼間は安めの価格で、夕方以降は高く設定されることが一般的である。
    時間帯以外には、平日か休日かによっても、料金が変動する仕組みになっており、休日が高くなることが一般的である。
  • 顧客層ごとに、料金が変わる場合もあり、子連れの場合、小学生以下は無料になったり、60歳以上は「シニア割引」を受けられる事が多い。

必要な従業員と、業務内容

  • 営業時間が長いため、交代制になっている。
  • 時間帯問わず、集客が見込めるものの、1番忙しいのは、夜の時間帯であるため、従業員も夜の時間帯が多く必要になる。
  • 個人経営の場合は、オーナーが店長を兼任している場合もあるが、複数店舗の運営や、法人の新規事業として立ち上げる場合は、店長を別で正社員として雇用する必要性がある。
  • アルバイト・パートの仕事内容としては、受付対応・レジ・調理・配膳・掃除が中心となる。
    基本的には、どれも難易度の高い業務ではないため、分業化はせずに、どの従業員でも一通り行えるように教育を行うべきである。

カラオケ店(カラオケボックス)のビジネスモデルと利益率

  • カラオケ店(カラオケボックス)がどうやって儲けてるかというと、基本的に「部屋の利用料金」と「飲食売上」の2つの方法によって稼いでいる。
  • 当然、立地等によっても、収益構造は異なるが、基本的には部屋の利用料金が全体売上の6割前後を占め、残りの4割が飲食による収益となる事が多い。
  • 経営者の実力によっても当然大きく変動するが、売上に対して10~20%程度の利益率のポテンシャルがある商売である。

カラオケ屋の開業メリット、強み

「レンタル」と「飲食」の2つの収益モデルを持っている

  • 一般的なビジネスとは違い、1業態で「部屋の利用料金」と「飲食売上」の2つ収益モデルを保有している点が、カラオケ屋のビジネス構造上の強みである。
  • 「部屋の利用料金」と「飲食売上」は、それぞれに、売上や利益を伸ばすための施策が別々に考えられるため、伸び代が大きい。
  • 成長ドライバーが2つあることから、避けようのない外部環境の変化があったとしても、立て直しがしやすいというメリットがある。

人件費・教育費を抑えられる

  • 対面型の一般的なビジネスでは(アパレル店や携帯ショップの契約などがわかりやすい)、顧客の購入率や購入単価を上げるためには、顧客への営業・接客を丁寧に行うことが1つの勝ちパターンとなっている。
  • しかし、カラオケ屋では逆に「接客をせずに”放置をすることが顧客に求められている”」という特徴を持っている。
    そのため、人件費を抑制することができるという事業メリットがあるのだ。

    「歌っている途中にドリンクが運ばれてきて、気まずい思いをする」というシーンは、その典型例だ。
  • 料亭のような高度な接客力も必要ないため、比較的従業員の教育コストは低い。

職人不要の飲食店ビジネス

  • カラオケ屋は質料売上の他に「飲食売上」も大きなビジネスだ。
    つまり、飲食店としての側面も強い業態なのだが、カラオケ屋に食べ物の質の高さを求めている顧客は少数派だ。

    そのため、冷凍食品やレトルト商品などを活用しつつも、期待値に応えることができるのだ。
    つまり、カラオケ店は『職人不要の飲食店ビジネス』と解釈ができる。
  • 一方で、最近では、競合との差別化をするために、飲食メニューに力を入れるような店舗も増えており、それはそれで戦略として機能している。
    飲食メニューへの期待値が低いからこそ、よい意味での期待の裏切り方をする事ができ、競争力にすることもできる。
    戦略の描き方は無数にあるのも、カラオケ店の大きな強みとなっている。

ビジネスモデルの拡張性が高い

  • 「カラオケボックス」という空間を貸し出しているため、その利用方法の提案は多岐に渡り、その訴求方法によっては、いくらでも事業の伸び代が見つけられる。

カラオケ屋の開業デメリット、弱み

顧客層によって、収益性が大きく異なる

  • カラオケボックスは、その名の通り「カラオケができる”箱”」を貸し出すビジネスである。
    ゆえに、その箱を1人に貸し出そうが、10人に貸し出そうが、店側が負担する、時間あたり家賃などのコストは変わらない。

    そのため、できる限り、ボックスの収容可能人数ギリギリまで常に入ってもらった方が部屋の貸し出し収益は大きくなる。(カラオケルームの料金設定は、基本的に”30分1人あたりいくら”というように設定されているため)
  • 1室あたりの収容人数が上がれば、室料売上が増えるだけではなく、1室あたりの飲食売上も人数分増えるため、ダブルで収益が最大化されるメリットがあるのだ。
  • このメリットはデメリットとの裏返しの関係性にあり、1室あたりの収容人数が1人である事が増えれば、それだけ換金効率が悪くなり、1室あたりの収益は落ちる。
  • この顧客層のコントロールこそが、カラオケボックスの経営における重要論点である。
  • 具体的には、運営年数を重ねるごとに累計利用者数が増えるため、これらの会員に対してメルマガ等を活用しながら、リピート率の調整を行うことなどが施策として挙げられる。

飲食は変動費である

  • カラオケビジネスは「室料」と「飲食」の2つの収益によって支えられている。
  • しかし、室料が家賃という固定費に支えられているのに対して、飲食は、あくまでも顧客の注文ごとにコストが変動する変動費である。
    ゆえに、注文数が拡大しても、コストは一定比率で起き続けるという点が、室料売上との構造差分である。
  • そのため、飲食における収益性を高めるためにも、廃棄ロスを最小化させるための取り組みや、フランチャイズの加盟などによる、仕入れのボリュームディスカウントなどの施策が重要になってくるのだ。

ネットカフェ難民

  • 最近では、以前ほどマスコミに取り上げられる機会が減っているが「ネットカフェ難民」と呼ばれるネットカフェやカラオケに住む人たちが問題となっている。
  • 世間の風潮としては”問題”として取り上げられる事が多いが、カラオケ店からすれば、重要な顧客であり、定住をしない・できない人たちの「役に立てている」という側面を忘れてはならない。
  • しかし、年齢などを誤魔化して泊まる若年層などが出た場合は事業においてデメリットとなりかねないため、しっかりとした管理が必要である。

カラオケ業界の将来性

流行に左右されず、根強いニーズがある

  • カラオケ業界の強みは「流行に左右されず、根強いニーズがある」という点だ。
    音楽業界は、常にヒットソングが生まれ続けているため、定期的にカラオケ屋で歌いたいというニーズが喚起されるのだ。
  • 定期的なヒットソングは、カラオケ屋の負担ではなく、あくまでも音楽業界がリスクと予算をかけて、生み出し続けてくれる。
    ある意味、カラオケ業界は「音楽業界に集客のための予算を負担してもらっている」と解釈をする事ができる。
    そのため、安定的な需要が見込めるマーケットとなっている。

客層が広く、老若男女からの需要が見込める

  • 音楽は、基本的に全ての年齢層に対して供給がされており、シニアには演歌などが愛され、若者にはJ-POP、K-POPなどが好まれている。
    好きな音楽が1曲もない人の方が珍しく、誰で大抵は好きな音楽が複数あるものだ。
  • 音楽業界が日夜、全ての年齢層に対して、特化された商材を常に開発し続けてくれているため、カラオケボックスは、その名の通り「箱」を提供することで、その恩恵を受けることができるのだ。

10代から20代の若年層はメイン顧客でありつつも、一定の注意が必要な相手であることは忘れてはならない。
青少年保護育成条例によって、深夜営業の時間帯は、立ち入り制限をしなくてはならないのだ。

割安かつ手軽な娯楽として人気で、リピート率が高い

  • 旅行・スポーツ・買い物なども趣味や娯楽として人気であるが、かかる費用が割高だ。
    それに対して、カラオケは利用する費用は比較的安価で気軽に楽しめる趣味として、常に上位に食い込んでいる。
  • カラオケは、費用面だけではなく、手軽さも人気の理由だ。
    スポーツなどは競技ごとに、一定の人数を満たさないとできないし、専用の場所を借りて出かけなければならず、アクセス面の条件も悪い事が多い。特にゴルフなどは、場所の遠さから早朝に起きる必要がある事が多い。
    それに対して、カラオケは店舗数もある程度あり、交通の便が良く、1人でも、数人でも、大人数でも楽しめ、思い立った時に、すぐに遊びに行けるのが特徴だ。
  • 以上の理由で、高頻度で利用がされる娯楽として人気になっている。
    特に、学校終わりに通いやすい若年層や、仕事を退職済みのシニア層のリピート率が高い。

ストレス解消方法として人気

  • 職場や学校など、常に精神負荷のかかる、ストレス社会の日本においては、常にストレス解消法が求められている。
  • 仕事や、授業が終わった後、自宅に帰ってストレス解消をしようにも、そもそも自宅における家族関係の悪さからも、自宅が休まる状態ではない人も少なくない。
  • そのため、ストレス解消の方法として、スポーツ・マッサージなど色々と選択肢があるが、手軽さや、価格の安さなどの観点から、カラオケ屋で熱唱する事が人気なのだ。

カラオケ業界の事業コンセプト・ビジネスモデル一覧

カラオケボックス・カラオケルーム

  • 「カラオケ屋の開業」で1番多いのが、このカラオケボックス(カラオケルーム)での開業だ。
  • ボックス型の部屋割りがされており、部屋の大きさが2人用・4人用・20人用など分けられており、少人数から大人数まで収容でき、デートから宴会など、あらゆるニーズに対応されている店舗もある。
  • ドリンクバーなどが併設されている事が多く、ソフトドリンクの配膳における人件費の削減に繋げている店舗が多い。

ひとりカラオケ(ヒトカラ・1人カラオケ)

  • 1人カラオケ専門店は「人と出かけた時のために練習したい」「わざわざ人と予定を合わせて出かけたくない」などの理由から広がっていった。
  • 一人カラオケは、一般的なカラオケボックスでも、問題なくできる事ではあるが、顧客側に「周りは複数人なのに、自分だけ1人で行くのは恥ずかしい」という心理が働くため『1人カラオケ専門店』として普及をしていったのだ。
  • ビジネス面での特徴としては、1人あたりの専用の個室を用意することから、部屋の広さが狭くなり、少ない坪数で、多くの部屋数を持てることが強みとなっている。
  • 一方で、事業のデメリットとしては、顧客層が「ひとり」に限定される事と、設備が部屋ごとに必要となる点である。
    飲食の配膳なども、部屋ごとに必要となることから、ボックスに複数人がいる際よりも、ややオペレーション面でも手間になる。

インターネットカフェ(漫画喫茶)

「スペースクリエイト自遊空間」のフランチャイズの詳細

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スナック

  • 店の責任者が「ママ」と呼ばれる女性である事が多く、大手チェーン店ではなく、個人経営の場合が多い。
  • カラオケをするのが1番の目的である、カラオケboxなどとは違い、客同士や店主との会話を楽しむことも重視されている。
  • 簡単な料理は出されるが、食べ物よりも、アルコールがよく注文される。
    カラオケboxなどと比較すると、単価が高くなるのが特徴である。

カラオケ居酒屋

  • 一部の大手居酒屋チェーンでは、部屋の中にカラオケ設備を取り揃えている。
  • 一般的なカラオケボックスよりも、飲食メニューが充実しており、飲食売上が見込める事が強みである。

カラオケバー(カラオケbar)

  • カラオケバー(カラオケbar)は、カラオケboxのように、ボックス型になっておらず、同じ空間で大人数が歌を楽しむ業態である。

生バンドカラオケBar

  • バンドが直接、生の演奏を行い、アーティストのような気分を味わいながら歌える業態である。

カラオケ喫茶店

  • カラオケ喫茶とは、昼の時間帯からカラオケが楽しめる、主にシニアに人気の喫茶店である。
  • カラオケbarなどは、飲み物がアルコールであることが多いのに対して、珈琲など、ソフトドリンクが中心であることも特徴である。
  • ソフトドリンクの注文が多いと、単価を上げずらいため、リピート率を上げるなどの工夫をすることで、収益性を高める。

介護施設のカラオケレクリエーション

  • カラオケには、予防効果・身体機能の向上・ストレス解消などの効果が見込める。
    そのため、介護施設では、カラオケレクリエーションが行われる機会が多く、施設の利用者同士の交流などにも役立っている。

カラオケ教室

  • 「カラオケ教室」は、カラオケを友人や恋人の前で上手に歌えるようになるために、音楽のプロから指導を受けるビジネスを指す。
  • 無料体験レッスンで、集客を行なった上で、有料のコースに入ってもらう形式が一般的だ。
  • 指導をする人材の確保・教育などが事業課題となりがちである。

カラオケ屋のフランチャイズに加盟するメリット・デメリット

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カラオケ屋のフランチャイズに加盟するメリット

カラオケ屋の運営ノウハウを短期間に学べる

  • コンビニなどと同じく、カラオケ業界にもフランチャイズ店が存在する。
  • FCは業界経験のない個人や、法人が最短で事業を軌道に乗せるために、よく利用がされる仕組みだ。
  • 仕入れ先の確保・従業員教育・経営管理など、あらゆるものがマニュアル化されており、本部の研修を受ければ、一通りのノウハウを短期間で得られることがメリットだ。

本部の物件探索能力を活用できる

  • 業界未経験者は、開業検討の業態における成功率の高いエリア・物件選定の力が足りないケースも多い。
  • フランチャイズの本部は、過去の出店実績から、成功率の高いエリア・物件の条件が分析できていることを強みにしている事も多いため、これらのデータを使うことで、成功率を高めることができる。
  • 個人では見つけられないような好条件の物件を確保できる事も少なくない。

FC本部の集客力を活用できる

  • 開業したばかりのカラオケ店であっても、顧客から見れば、フランチャイズ店なのか、直営店なのかの違いは基本的には分からず、あくまでも「カラオケ屋さんの大手」と認識される。
  • そのため、フランチャイズに加盟すれば、大手フランチャイズ本部のブランド力(看板)を活用することで、開業初期から既に信頼してもらえる顧客がいる状態にすることができる。
  • ポイントカードや、アプリなどは、どの店舗であっても共通して使える事が多いため、出店をした段階で集客ができるのだ。

本部の開発力を活用できる

  • フランチャイズに加盟をすれば、季節に応じた新商品や、競合などの動向を見ながら開発した新商品などを共有してもらう事ができる。
    自社で開発をしようとすると、膨大な時間と費用が発生するが、本部の力を活用する事で楽に進める事ができるのだ。

直営店で成功した施策を教えてもらえる

  • 本部が、直営店で挑戦して、成功した施策だけを共有してもらうことで、加盟店は最短で業績を改善することができる。
  • しかし、フランチャイズ本部の中には、直営店をほとんど出していない場合もあり、そのケースではあまり有用な施策の共有が得られないこともあるため、注意が必要である。
    ただし、本部が直営店を運営していなくても、全国の加盟店から情報を集約してうまくいった情報を集められるケースも存在する。

小資本での独立開業ができる

  • フランチャイズによっては、既存店舗の引き継ぎプランなどを用意している事があり、そのケースではオーナーが店舗を新しく用意する必要がないため、開業費用を抑える事ができる。
    加えて、既存店の引き継ぎであれば、既存のリピート顧客も引き継ぐ事ができるのがメリットだ。
  • 新規で出店をする場合も、本部でフランチャイズ店の成功を何度も成功していると、金融機関からの信頼が得られるため、個人で資金調達を行うときよりも、有利な条件で資金調達が進められる事がある。

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カラオケ屋のフランチャイズに加盟するデメリット

本部の方針に従う必要がある

  • フランチャイズに加盟すると、本部の方針に従う必要がある。
  • そのため、オーナーが独自性を出していき、経営に反映させていきたい場合は、フランチャイズでの開業には向かない。
  • しかし、フランチャイズの中でも、自由度は差が大きく、フランチャイズのメリットを活かしつつ、独自性も出すことができるケースも多い。

加盟金とロイヤリティーがかかる

  • 本部によっても、システムがやや違うが、一般的にフランチャイズに加盟する際は、加盟金などの初期費用や、売上などに応じたロイヤリティーがかかる。
  • そのため、経営の軌道を乗せるのには、フランチャイズが役に立っても、長期的にはロイヤリティーの存在によって、収益率を毀損してしまうこともある。
  • ただし、本部にとっても、ロイヤリティーの回収を継続的に行うためには、加盟店が儲かっている必要性があるため、加盟店の収益力向上のために、様々な支援を行ってくれる。

期待した研修やサポートを受けられない

  • 当初、想定していたほどの内容の研修を受けられず、開業後のサポートも、スーパーバイザーの能力が期待値に達しないケースもある。

本部が出した事業計画・収支モデルの数値と実績に乖離が生まれる

  • 加盟前に、本部が出した事業計画・収支モデルの数値と実績に乖離が生まれる事も十分に考えられる。
  • フランチャイズによっては、売上保証制度などが設けられている事があるが、基本的に事業数値は保証されるものではないという前提を理解すべきだ。
  • 基本的には、フランチャイズの契約を行なっても、独立したオーナー経営者であるという意識を持って、本部任せにならず、自身で事業を伸ばしていく、という覚悟・行動量・行動品質が重要である。
  • しかし、フランチャイズ業界全体でみた時に、営業マンが加盟者の期待値を不当に引き上げるケースもゼロではなく、それが原因で訴訟に発展する事も事実として存在する。

フランチャイズに加盟する流れ

  • 独立開業の意思を固める。
  • 開業したい業界を決め、その業界におけるフランチャイズをリストアップして、比較検討をする。

    【厳選】「カラオケ屋」の独立・開業・フランチャイズ募集企業一覧!
  • 詳細を知れるパンフレットなどを資料請求したり、説明会に参加して、疑問点を解消していく。
  • 開業するエリアにおける物件を探索する。
  • 競合を調査しつつ、事業計画を立てる。
  • 本部の審査を受ける。
  • 契約を結ぶ。
  • 物件の契約を行い、設計・工事を行う。
  • 本部のマニュアルを活用して、座学・実務での研修を実施する。
  • プレオープンをして、オペレーションの最終チェックを行う。
  • 店舗のオープンをする。
  • 開業後、本部からのサポートを受けつつ、事業を伸ばしていく。

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カラオケ店の開業資金・開業費用

(項目)(数値)
設計費用¥4,000,000
工事費用¥47,500,000
食材仕入れ・備品¥4,200,000
経費¥250,000
合計¥55,950,000
  • カラオケビジネスは細かく分類すると、スナック・バー(bar)・パブなどをはじめとして、複数の業態があるが、いずれにしても居抜き物件が一定量、市場に出回っている。
    これらを活用することで、開業費用を抑え、必要な初期の経営資金量を減らす事ができる。
  • 内装・外装をどの程度費用をかけて新しくするのかは、退去時の状態や、開業オーナーの希望イメージとのギャップによって決まってくる。
    場合によっては、むしろ居抜き物件を利用することでコストが増大してしまうこともあるため、注意が必要だ。
  • 居抜き物件を活用するにしても、設備投資はある程度必要だ。
    なぜならば、カラオケの設備はリース契約やレンタル契約を結ぶ事が殆どだからだ。
  • しかし、当然ながら物件等の条件によっても、大きく変動する。

開業資金の調達方法

  • 金融機関には、都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合などがある。
    基本的には、都市銀行・地方銀行は、無担保・無保証で資金を貸し付けてくれることはなく、新しく起業をする経営者が最初から調達をする難易度は極めて高い。
  • 信用金庫・信用組合は、都市銀行・地方銀行よりは小規模事業者への貸し出しに前向きではあるが、それでも、経営の実績がない開業者がお金を借りるのは難しい。
  • そのため、民間の金融機関より借りやすいのが、政府が出資をしている「政府系金融機関」である。
    公的金融機関としては、国民生活金融公庫・中小企業金融公庫・日本政策投資銀行などがある。
  • 当然条件は一定存在するものの、政府系金融機関の中でも「国民生活金融公庫」であれば、個人事業主などの小規模事業者でも調達がしやすい。

国民生活金融公庫で融資をしてもらう流れ

  • 相談窓口で書類をもらう
    各都道府県ごとに、支店窓口が用意されているため、こちらで「創業計画書」や「借入申込書」をもらう。
  • 申し込み
    創業計画書や借入申込書等の必要書類を記載のもと、申込を行う。
  • 面談
    事業計画について質問に的確に回答できるよう、十分な準備をしていく。
  • 融資の決定
    融資されることが決定すると、書類が送られるため、提出をする。
  • 返済
    返済は、基本的には毎月定額を返済する形式となるが、元金均等返済の他、負担額を最初に大きくする方法(元利均等返済)や、負担額を最初に小さくして、徐々に上げていく方法(ステップ返済)など複数から選ぶことができる。

国民生活金融公庫の融資の審査を通過するには?

  • 国民生活金融公庫の融資の審査を通過するには重要な論点が

事業計画書の質と、質疑応答の質

  • 国民生活金融公庫の融資の審査は、事業計画書を元にして、返済能力があるかを判断される。
  • そのため、どの角度から質問を投げられても、根拠のある返答ができるように、抜け漏れのない資料作成と準備をすることが重要である。

担保か保証人の存在

  • 国民生活金融公庫では、無担保・無保証人でも、融資をしてもらうことができる。
  • しかし、この制度を利用するには複数の要件を満たす必要がある。

自己資金の準備額

  • 融資をしてもらうには、自己資金の準備額が見られる。
    明確な基準は定義されていないが、事業資金の半分以上を用意できていると通りやすい。

カラオケ店の事業計画書

  • 事業計画所は、資金調達のプレゼン資料、トップマネジメント層の採用や、正社員のマネジメントなど、活用方法は様々である。
    目的に応じて、フォーマットを変更することもあるが、基本的には経営者の事業の全体像と、時間軸別の事業の成長度合いが「誰もがある程度納得できる(信じられる)」根拠を持って作られるものだ。
  • 人のためだけではなく、事業計画を詰めることで、経営者自身も事業に対する解像度が高くなり、初期に想定をしていなかったような事業の落とし穴や、逆に伸び代を見つける事ができるのがメリットだ。
  • 初期に作った通りに、進捗することの方が珍しく、そのズレを定期的にチェックすることで、事業の健康診断をする事ができるのも作成をするメリットと言える。
  • 「カラオケ屋の収支モデル・事業計画の事例」については後述をしている。

事業計画書を作る際のポイント

  • 「事業計画書」は、開業をする際に殆どの起業家が作成するものであるが、その定義が明確に決まったものはなく、その完成度は正直なところ、様々であるというのが実態だ。
  • しかし事業計画書を作る場合、著者は最低限、下記の内容は網羅すべきだと考えている。
    • 事業内容の詳細
    • ビジネスモデル
    • 市場の追い風、逆風
    • 競合企業との差別化
    • ターゲット顧客の層と、層別の推定数
    • 顧客あたり売上・利益
    • 資金調達の方法、内訳
  • 事業計画の最も使われる場面は、資金調達のシーンであるが、その際に、これらの数値感があまりにも非現実的だと、金融機関はなかなかお金を貸してくれない。
    事業の妥当性まで含めて語れるようにするべきだ。
    世の中に公開されている数字だけではなく、実際に自分の足を動かし、生の情報を取りに行くことも大切だ。

収支計画の作成

  • 「収支計画の作成」は、事業計画の立案の中でも、ある意味最も重要な工程だ。
    収益を構成する要素を洗い出し、時系列別の売上・コスト・利益の推移を計算していく事が必須となっている。
  • 売上を、客数・回転率・顧客あたり売上・営業日などに分解して、それらが具体的に、どの時期に、どれくらいの数値になっていくのかを計算していく。
  • 全ての数値が正確に計算できるわけではないが、競合企業の分析などを徹底的に行うことで、精度を高めていくのが一般的なやり方の1つだ。
  • 費用も基本的には、まず同様のやり方で、費用の概要を原価・人件費・消耗品費・家賃・広告宣伝費などに分解する。
    その上で、それらのコストの額を見積もり、どうすればもっと安く、品質を上げられるのかをセットで考える。

資金繰り表の作成

  • 資金繰りとは、現金預金の動きを確認し、資金が足りなくなって、途中で、仕入れや、人件費等の費用が支払えなくならないように管理する仕事を指す。
  • 資金繰り表を作成して、現金の入るタイミングと出るタイミングを1ヶ月単位で先々まで計画を詰める作業をしておく事が大切だ。
  • 事業の特性などにもよるが、基本的には、殆どの事業が徐々に固定客を増やしていき、安定期に入っていく特性を持っているため、事業を開始した初期段階が1番利益の確保が難しいことも多い。
    そのため、事業が安定するまでは、赤字期間が発生することも少なくなく、結果として運転資金が足りなくなってしまうリスクがある。
  • 開業初期ほど管理が難しいため、経営経験が浅い起業家ほど苦労をすることになる。
    そのため、できる限り、初期の経営資金は余裕を持っておく方が安心して運営ができる。
  • 脱サラした経営者が見落としがちで、管理できていないことが多いのは「現金が入ってくるタイミング」である。
    サラリーマン時代は、あまり気にも止めないことが多いが、事業を行う際には「売掛金」という形で、即時、現金を得られない収益があるのだ。
    そうなると、一見するとPL(損益計算書)上は、黒字にも関わらず、現金が足りずに「黒字倒産」と呼ばれるような事象が発生してしまう。
    現金には、回収期間や、回収リスクが必ずかかることに留意をして、経営管理を行うべきだ。
  • 売上だけではなく、コストの方も計上タイミングを把握しておき、支払いと現金確保のタイミングのズレによって、お金が足りなくなるという事態にならないように常に目を光らせる必要がある。
  • 「入金は最速にして、コストの支払いは遅らせる」という原則を忘れてはならない。
    しかし、これを進め過ぎると、長期的な目線での損失(取引先からの信頼を失うなど)にも繋がりかねないため、常に主語を変えながら思考する癖をつけよう。

設備投資計画

  • 開業を行う上では、一定の設備投資が必要になるが、設備投資は行うタイミングで一定の資金量が必要となる。
  • そのため、投資設備によって生み出される収益が予定通りに行かなければ、資金が足りなくなってしまうリスクがある。
  • そのため、設備投資を行う際には、下記のチェックリストを確認してみてほしい。

    <設備投資におけるチェックリスト>
    • 「事業を行う上で必要な設備は何か?」
    • 「それは、いつ、どのタイミングで、どれくらい必要なものなのか?」
    • 「そもそも必要なものなのか?」
    • 「新品ではなく、中古品は購入できないのか?」
    • 「リースはできないのか?」
  • 上記の内容を書き出していき、思考を深めていくことで、設備投資の精度が高まっていき、無駄な費用が減っていき、投資回収速度が上がることで、常に適切な投資活動ができるようになる。

リース取引の流れ

  • 借りたい機材等の仕様や価格などを相談して、借りるものを決定。
  • リース会社に対して、所定の財務資料等を提出し、審査をしてもらう。
  • 審査が終わり次第、契約を結ぶ。
  • リース会社がメーカー等と売買契約を結び、発注をする。
  • メーカー等から、納入されて、検査が終わり次第、必要書類を提出し、リースが開始される。
  • 契約に応じた料金を毎月支払っていく。

リース取引のメリット

  • リース契約であれば、毎月の支出は一定額に抑えることができるため、いきなり多額の現金を使う必要がない。
    そのため、資金を他の投資に割くことがしやすくなり、効率的な経営判断が行える。
  • 毎月の費用が一定額であるため、資金繰り表などの計画が立てやすい。
  • リース料金は、税法上賃料として処理できる。
  • 技術は日進月歩で、常に進化していため、導入設備が消費者から古いと判断されてしまう速度も早まっている。
    リース契約であれば、ある程度柔軟に世間のニーズの変化に合わせてスピーディーに設備の入れ替えができる。
  • リース契約であれば固定資産税の申告・納付・支払い・売却などの、手間のかかる作業が軽減できる。

リース取引のデメリット

  • 契約期間が長ければ、自社で購入した方が支払いの総額が低くなるケースも多い。

カラオケ屋の収支モデル・事業計画の事例(1ヶ月あたり)

(項目)(数値)(全体構成比)
売上(部屋の利用料金+飲食売上)¥4,108,333100%
原価(食材、消耗品)¥583,33314%
人件費¥1,083,33326%
家賃¥416,66710%
機器賃借料、情報利用料¥650,00016%
著作権使用料¥60,0001%
経費¥375,0009%
減価償却費¥416,66710%
利益¥523,33313%
  • 15部屋程度のカラオケ屋を運営する、複数の経営者にヒアリングをした平均値を上記に事例として挙げておく。
    貴重な情報なので、ぜひ参考にしてみて欲しい。
  • カラオケの導入費用や、著作権使用料などの、カラオケビジネスならではの独特な経費がかかるのが特徴になっている。
  • しかし、当然ながら物件等の条件によっても、大きく変動する。

カラオケ施設における、JASRACへの月額使用料

  • カラオケ設備を利用して、事業を運営する場合は、JASRACに対して、月額使用料を払う必要がある。
  • 部屋ごとの定員数に応じた月額使用料が定義されているため、その使用料の合計額が、店舗の負担する月額使用料となってくる。
  • 定員数に応じて料金が決まるため、カラオケ店の経営者は、店舗の規模に応じた費用だけを払えば良い仕組みになっている。

ビデオカラオケによる歌唱

区分定員月額使用料
110名まで4,000円
210名を超え 30名まで8,000円
330名を超え 50名まで12,000円
450名を超え100名まで16,000円
https://www.jasrac.or.jp/news/pdf/17060701.pdf

オーディオカラオケによる歌唱

区分定員月額使用料
110名まで3,000円
210名を超え 30名まで6,000円
330名を超え 50名まで9,000円
450名を超え100名まで12,000円
https://www.jasrac.or.jp/news/pdf/17060701.pdf

カラオケ屋の経営に必要な、開業許可手続き・資格

著作物利用許諾手続き

  • カラオケは、アーティストやレコード会社の著作物を利用することで収益を得ている。
    そのため、各所に許可を得る必要があるが、ビジネス特性上、取り扱う曲の数が膨大であり、個別で許諾を得ることが現実的に難しい。
    その効率化のためにあるのが、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)である。
  • JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)は、許諾契約の締結と使用料の徴収を一括して行うシステムを採用している。
    JASRACへの契約締結申請は、カラオケ機材の代理店とを押して、一般社団法人全国カラオケ事業者協会にに受け付けてもらうことになる。
  • 機材メーカーの代理店からリースや購入等を行うタイミングで、JASRACへの許諾契約の申請を行うようになっている。

営業許可証の取得

  • 社会の秩序維持などを目的として、事業を始める際には、国や地方自治体などの行政から許可を必要とする場合があるが、カラオケ屋を開業する際には「飲食店営業許可」が必要になってくる。
  • 許認可は、法律で規定されているため、罰せられないためにも、しっかりと手続きを進める事が大事だ。

営業許可証の取得における、手続きの流れ

  • 内装工事の前の段階で建物の設計図を持って、保健所に相談する。
  • 申請書等の書類を作成し、食品えいせい責任者を決定する。
  • 工事が終わる前に、余裕を持って書類を提出し審査を受ける。
  • 保健所から、施設の検査を直接受ける。
  • 営業許可証が交付される。
  • 食品衛生責任者の名札を掲げる。
  • 営業活動の開始できるようになる。

カラオケボックスで、飲食を提供するのに必要な資格

  • カラオケボックスで、飲食を提供するのに必要な資格は無い。
  • しかし、店舗単位で食品衛生責任者を置く必要がある。
  • 食品衛生責任者は、資格がなくてもなれるが、都道府県知事の指定する食品衛生責任者養成講習会を修了する必要がある。
    食品衛生責任者養成講習会には、受講費用と、受講のための時間が必要であることに留意しておく。
  • 調理師・栄養士・製菓衛生士などの資格を持つ場合は、講習会への参加をせずとも、食品衛生責任者にできる。

カラオケ屋に必要な設備

  • 冷蔵設備
  • 給湯設備
  • 客席
  • 客用トイレ
  • 機械器具
  • 洗浄設備
  • 細菌検査装置

カラオケ屋の開業の際、注意すべき法律・条例

消防法

  • カラオケ屋は建物の構造上、火災が起きたことに気が付きずらく、通路が狭いことから、避難もしづらいという特徴を持っている。
    そのため、顧客の安全を確保する事も、経営者の仕事になっている。
  • 年間2回以上の頻度で、消火訓練と避難訓練を行う必要がある。
  • 開業の際には、消防法上、問題のない設備の建物かなどを調べてもらうため、地元消防署の検査をする必要がある。

著作権法

  • カラオケは、歌詞の字幕に合わせて歌うサービスを提供して、室料をもらうビジネスであることから、あ著作権法と深い関係がある。
  • 著作物の許諾を得た上で、使用料を支払うことで、事業を運営することができる。

青少年保護育成条例

  • カラオケ屋は事業特性上、ボックス型の密閉空間を提供するため、青少年の育成と保護の観点から条例にも気を配る必要がある。
  • 深夜営業の時間帯に、青少年が出歩くことは、非行につながるため、カラオケルームへの出入りを禁止している。
  • そのため、受付で、年齢確認を行なった上で、必要であれば、入店を断るなどの対応をする事が必要となる。

風営法

  • カラオケ屋には明確な営業時間の定義はないが、仮に深夜の時間帯に営業を行い、酒類を提供する場合は、公安委員会に届出をする必要がある。
  • 住居専用地域などでは、そもそも原則として深夜営業は禁止されている点にはあらかじめ留意が必要である。

未成年者飲酒禁止法

  • 未成年者飲酒禁止法によって、未成年者の飲酒は禁じられている。
    そのため、アルコールの注文を受けた際は、顧客が成人かどうかを確認して、必要に応じて、身分証明書の提示を行うなどの対応を行うべきである。

カラオケ店の経営の成功のポイント。戦略・戦術の事例

出店戦略

  • カラオケ屋は、居酒屋で飲んだ後の二次会で行くイメージから、繁華街に多いと考える人が多いが、実際は、繁華街などにこだわる必要はない。
  • 繁華街などは、資金力のある大手が参入している事が多く、競合が多くて、それぞれが強い、という特徴を持っている。
  • そのため、しっかりとした戦略があれば、住宅街・商店街・郊外など、繁華街以外の立地でも、稼げる店を作る事ができる。
  • 繁華街でなければ、家賃も安くなるだけではなく、地元の近隣住民のアクセスがよくなる事から、リピーターを作る難易度が下がる、というメリットが生まれる。
  • 繁華街以外では、一度に大量の客数は見込めないため、部屋数を無理に多く、広くする必要性も減る。
    そのため、繁華街以外に出店をすれば、開業資金を抑えながら、家賃と広告費を抑え、リピーター中心の高収益店舗を作ることもできる。

物件調査を行う際のチェックリスト

  • 商業地域なのか、住宅地域なのか?
  • 開業候補地では、深夜営業が許可されるのか?
  • 開業候補エリア一帯はどんな年齢層・職業の人が多いか?
  • 地元住民か観光客どちらが多いか?
  • 最寄駅から、物件のアクセス性はどうか?
  • 物件の交通量は具体的にどれくらいか?
  • 周辺一帯を、実際に歩いて調査したか?
  • 周辺一帯は今後(数年に渡り)大きく変わるような計画が立てられていないか?
  • 競合の数はどれくらいか?
  • 競合の強みと、弱みは何か?
  • 競合を上回れそうな強みは作れそうか?
  • 災害リスクが高くないか?

顧客ターゲットを明確にする

  • カラオケビジネスと一言で表現しても、実に色々な業態が存在する。
    しかし、それらの業態に対して、さらに「顧客ターゲット」を特化型で掛け合わせると、さらに新しいビジネスの種が生まれる。
  • 例えば、顧客の所得水準などはわかりやすい事例だ。
    高級路線で行くのであれば、内装を豪華にして、内装のコンセプトも、複数の趣向から選べるようにすることも1つの戦術となる。
  • 一般的に、カラオケビジネスの強みは「接客が少なくて済むこと」であるが、高級路線であれば、逆張りをして「接客レベルを高くする」事も1つの戦い方の選択肢だ。
  • しかし、この事例からも分かるとおり、最初の内装工事のタイミングから、コンセプト・戦略が固まっていないと、リニューアルにコストがかかってしまうため、創業前から徹底的に考え抜くことをオススメする。

幹部社員の採用

  • 開業したばかりの1店舗目であれば、オーナーが、そのまま店長として、マネジメントをすれば、ある程度秩序を持って事業運営がしやすい。
  • しかし、事業規模を拡大するために、複数店舗の運営に乗り出すには、店を任せる事ができる幹部が必要となる。
  • 幹部の採用は簡単なことではないため、アルバイトなどの従業員からの抜擢もぜひ検討してみてほしい。
    普段からマネジメントを丁寧に行っていれば、社員の将来の夢や、マネジメントの素養などが見えてくる。
    アルバイトからの正社員雇用であれば、人材紹介会社などを使う際にかかる高い仲介マージンを取られることもない。

飲食メニューの充実による差別化

  • カラオケ店は、飲食店としての側面がありつつも、基本的には「歌う」ということが1番の来店目的になっている。
    そのため、多くの店が、飲食に対して本気でやり抜いていない。
    採用コストが高く、マネジメントが難しい「職人の採用・雇用をしなくて良い」という事がカラオケ経営における1つの強みとされている。
  • しかし、逆に考えれば、競合のカラオケ店は飲食メニューが弱い事が多く、そこに対して投資をすることで、大きな差を生み出すこともできると解釈ができる。

    一般的なカラオケ店よりも、高単価のメニューを作ることで、標準的なカラオケ店では集客が難しい顧客層を開拓して、少数の顧客で大きな利益を生み出す事もできる。

カラオケ店の経営の失敗のポイント

経営戦略と、内装・設備の不一致

  • カラオケ業態を開業する際に立てた戦略と、実体に乖離がある場合は、業績が落ちていくリスクがある。
  • 例えば高級路線で打ち出しているにも関わらず、内装が安っぽかったり、壁が剥がれたまま放置をしていたり、トイレが汚かったりすると、その期待値の差から評判が悪くなっていき、収益性が落ちていくことになる。

人件費を最適な状態で保つ

  • 開業したばかりの初期は、客数が読めないことで、従業員が過剰にいたり、逆に少なかったりするなどの問題が起きるのはある程度、仕方のない問題だ。
  • しかし、店をオープンしてから、日数が経っているにも関わらず、そのような問題が起きたまま放置をするのが好ましくない。
  • 特に、カラオケボックスの経営の利点は「従業員の数が少なくても回しやすい」という点にあるにも関わらず、過剰に人員を配置している場合だ。
    人員が多ければ、それだけ教育コストも増えるし、単純に人件費の総額が大きくなり、利益率が下がってしまう。
  • 退職率なども、一定織り込みながら、必要に応じて求人活動を行いつつ、適切な従業員数がいる状態を保たなければならない。

フランチャイズに加盟する際の条件を確認できていない

  • カラオケ店の開業をする方法として、フランチャイズへの加盟は有効な手法である。
    しかし、開業前の研修内容や、開業後のサポート体制について、確認を十分に行っていないと、認識の齟齬が生まれ、トラブルの原因になる。
  • 契約書のサインをする前に、不明点が少しでもあれば、本部に確認を取ったり、必要であれば、専門家の力を借りながら、明確にするべきだ。

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機材のメンテナンスができていない

  • 機材のメンテナンスができておらず、不具合が生まれていたり、清潔に保てていなかったりすると、口コミ情報がネットなどに掲載されてしまい、新規顧客の獲得や、リピート率の低下につながる事がある。
  • メンテナンスがスピーディーに行えるかどうかは、取引を行う代理店によっても変わってくる部分である。
    そのため、代理店と取引をする際は、価格以外にも、サポート体制の差も含めて決めるべきである。

カラオケ屋の開業手順・準備

STEP
事業計画の立案

独立開業の意思が固まり次第、開業エリアのリストアップ・事業コンセプト作り・収支モデル作り・出店候補物件のリストアップ・必要な資格や許可申請の調査などを行う。
家族の反対などが起きないかなども含めて、しっかりと先回りで準備を行なっておく。

また、しっかりと納期を決めながら、行動することが重要で「いつまでに何をして、何を実現するのか?」という目標を決める事が大切だ。
必要な準備にかかる時間から、積み上げて、開業できる日を決めるやり方も1つではあるが、それだと余裕を持ちすぎて、あまりにも先の日になってしまう事がある。
そのため「”開業する日”を先に決めてしまい、その実現のためには、どの工程を、どれくらい短縮させられるのか?」という逆算思考で進めた方がスピーディーに進められる。
進めながら、解像度が上がる部分もあるため、柔軟に調整をしていく心持ちが重要だが、納期が遅れれば遅れるほど、コストが嵩むのが一般的である。

STEP
資金調達

事業計画を参考に、必要な資金を調達していく。
計画通りにいかず、想定よりも多くコストがかかることも見越した上での調達を行う必要がある。
調達先としては、金融機関・公的期間・知人・親戚・家族などがある。

フランチャイズでの独立開業であれば、既に店舗の実績があることから、調達の難易度が下がるだけではなく、調達額も少なくて済むケースも多い。

STEP
商圏調査

出店するエリアにおける物件をどうするのかを詳細に決める。自分の持っている物件で始めるのか、賃貸物件を知人や、不動産会社経由で借りるのか、居抜きで借りるのか、スケルトンで借りるのかなどを詰めていく。
ついつい遊休地の活用などを考えてしまうが、実際に開業するカラオケ店のコンセプトと合わないエリアであれば、失敗率が高まるので、考えを白紙に戻す勇気も重要だ。

STEP
物件の確保

物件を利用する場合、購入するのか、賃貸をするのかを条件面含めて交渉する。
将来生み出す収益から、回収期間を計算し、現状用意できる開業資金とのバランスを見ながら、総合的に判断をする必要がある。

物件以外にも、事務所が必要なケースがあるが、余計なコストをかけたくない場合は、自宅や、レンタルオフィスの利用などをすると良い。

STEP
設計

知人・もしくは自身で業者をリストアップして、設計の打ち合わせを行う。(フランチャイズの場合は、既に相性の良い業者を探してくれている場合が多い)
自身の開業する店舗のイメージがずれないように、業者と丁寧にコミュニケーションをとりながら設計図を作り上げていく。

設計図が完成し次第、保健所・消防署などに連絡をして問題がないのか確認をとる。

STEP
建築・内装工事

行政の確認が取れ次第、建築工事に移る。
工事が完了したら、再度、保健所・消防署などに連絡をして検査をしてもらう。

STEP
カラオケ機材の搬入

レンタル・購入から都合のよい方を選び、代理店と契約を行い、カラオケ機器を搬入する。
この段階で、代理店を通じて、JASRACと著作権使用に関する契約を締結する。
機材が仕様通りに動作するかを確認し、利用の仕方も含めて疑問点がない状態にしておく。

STEP
許認可申請

申請から許認可が下りるまでは、時間がかかるため、できる限り早め早めの対応が重要である。
また、内容に不備があると、やり直しが発生し、さらに後ろ倒しになることもあるので、何度も丁寧に確認をとる事が大事だ。
自身で全てを対応する自信がない場合や、他の開業準備で時間が割けない場合は、専門家に外注することを検討すべき。

STEP
アルバイト・正社員等の従業員を採用する

アルバイト・パート・正社員等の従業員を採用する。
就業規則作成などの労務管理の準備も終わらせ、最速で即戦力になってもらうためのマニュアルも作成しておく。

開業エリアによっては、採用に時間がかかる場合もあるので、求人募集をするタイミングは随時判断をするべきである。

STEP
仕入れ先の決定

飲食メニューや、おしぼりなどの仕入れ先を確定させて契約を結ぶ。
フランチャイズなどの場合は、指定業者などの紹介のもと、大手ならではの低価格での仕入れが実現できる。

STEP
開店準備・プレオープン

什器や事務用品なども整備した上で、実際の従業員の動きなどを確認する。
本番と同様に、知人等を招き、問題が起きないかを最終チェックする。

STEP
集客・広告

チラシ等を活用しながら、開業を告知して、集客できる状態にしておく。

STEP
開業・オープン

無事、店舗のオープンとなり、本当の事業スタートとなる。

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カラオケ屋の開業をする際に、よくある質問

カラオケの開業費はいくらですか?

詳細は記事で解説していますが、5,595万円が1つの目安となります。しかし、物件等の条件によっても大きく変動します。

カラオケ店を開くには?

カラオケ屋の開業手順・準備」を詳細は記事で解説しています。大まかには、事業計画の立案→資金調達→商圏調査→設計工事→カラオケ機材の搬入→許認可申請→採用→業者選定→開業となります。

カラオケの大手企業は?

カラオケの大手企業は、業界トップクラスのフランチャイズを展開している「カラオケCLUB DAM(クラブダム)」です。他にも、カラオケのFC企業一覧を別の記事でまとめました。

カラオケ屋の売り上げは?

カラオケ屋の売り上げは、コチラの解説で取り上げたように、物件等によっても変動するものの、15部屋で月に410万円程度を狙えます。

カラオケの業種は?

詳細は記事で解説していますが、カラオケの業種は、飲食店とも言え、賃貸ビジネスとも言えます。

お店を経営するのに必要な資格は?

記事で詳細を取り上げたように、必要な資格は無いですが、あった方がよい資格や、必要な開業許可手続きが多くあります。

※各種情報は調査時点のものです。独自の調査による推測の情報も含まれていおり、取り上げた数値を含め保証されるものではありません。

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