とくし丸は「移動型スーパー」という販売車の事業を展開する企業であり「買い物難民を救うための画期的なビジネスモデル」を創り上げています。
都会に住んでいるとなかなか馴染みがない「買い物難民」ですが、農林水産省の調べによると、日本では825万人もの人が「買い物難民」になっています。
少子高齢化が進むことは火を見るよりも明らかであり、今後も買い物難民は増えることが予想されています。
ビジネスモデル・事業モデルの仕組み
本事業における利害関係者は大きく3つです。
1、各地域のスーパー
2、販売パートナー
3、とくし丸の本部
とくし丸の本部が、各地域のスーパーと契約を行い、販売パートナーが、更にその各地域のスーパーと契約を行います。
販売パートナーは契約をしたスーパーから移動販売を行う商品を選び、軽トラックに積み込みを行った上で、お客様の元へ移動して販売を行います。
その販売で生じた利益をスーパーと販売パートナーで分配する事業モデルになっています。
【とくし丸】の強みと、メリット
販売率を高くすることができる、究極の後出しビジネスモデル
従来のスーパーのビジネスモデルは「お客さまに店舗まで来ていただく」という仕組みでした。
しかし、とくし丸の場合は、お客さまの元に軽トラックで「向かう」というモデルになっています。
そのため、基本的には販売するお客さまの情報がわかっています。(もちろん開業初期はわからないですが)
事前に販売するお客さまに「どんな商品が欲しいのか?」ということをヒアリングしておけば、お客さまの元に向かう前のスーパーでの積荷の時点から、販売できる可能性の高い見込み商材をトラックに乗せることができるのです。
稼働日数にもよりますが、毎週のように顔を合わせてコミュニケーションをする事が前提のビジネスモデルだからこそ打てる戦略と言えるでしょう。
従来の小売業のビジネスモデルでは、売れるかもわからない商品に対して、仕入れを行い「最悪の場合、売れ残ってしまうかもしれない….」という不安と戦いながら事業を行うことが前提でした。
リピート率が高い
お客様は「買い物に出かけたくても、スーパーまで移動することができない」という層になります。
そのため移動販売をすることが、お客様のためにもなりますし、言い換えると「他に買い物をするための代替手段が少ない」という事にもなるのです。
本事業に関わらず「顧客が代替手段を保有していない」という事は事業を運営する上で大きな強みになります。
顧客あたりの売上の伸び代が大きい
売上は基本的に「顧客あたり売上×顧客数」によって導き出せます。
本事業におけるコストの一つは「移動のためのガソリン代金」ですから「移動距離を短くして最大の収益を上げる」ことが利益額を上げるために大切になります。
そうなると、顧客数を伸ばすよりも、顧客あたり売上を伸ばすことの方が重要です。
しかし一方であまりにも短期で少数の顧客からの売上を伸ばし過ぎると、長期での利用ができなくなりかねないというリスクもあります。
信頼関係を築き易い事業にありがちな失敗が「押し売りをしてしまうこと」です。
短期的には事業数値が良くなるので、メリットが大きいように思えるのですが、とくし丸が販売するメイン商材は食品であるため、無理に販売量を増やしてしまうとお客様は食材を腐らせてしまいます。
押し売りをしてしまうと、信頼関係を毀損し、利用控えにつながるケースがあるため、同社では、そのような販売方針は取っておらず、あくまでもお客様満足度を考え、リピート率の維持向上にフォーカスしています。
何事もバランスが大事で、自分の利益だけを考えず、お客さまの目線でも考えた上で適切な販売量を探ることが、この事業の成功における大切なポイントです。
やりがいが大きい
近年のマクロ環境の変化から、移動販売のフランチャイズ人気に火がついています。
しかし、とくし丸では通常のフランチャイズのように、ロイヤリティはありません。
つまり、頑張って売上を増やせば、増やしただけ自分の収入も増やせます。
また、お客さまが買い物が難しいシニア層であり、販売手法の特性上、直接顔を合わせて販売する必要があることから「見守り機能」も果たすことができます。
「とくし丸」ブランドの知名度が上昇している
下記は、検索エンジンのGoogleにおける「とくし丸」の検索動向を示しているデータです。
上場企業グループの運営で安心感がある
とくし丸は、上場企業オイシックス・ラ・大地グループの「株式会社とくし丸」が運営しています。
フランチャイズ業界などは、比較的小規模な事業者も多くいるため、継続的な事業運営において不安を感じることがありますが、上場企業が運営していることからも、安心して販売パートナーになることができます。
「提携スーパーマーケット」にとってのメリット
とくし丸の本部と提携をするスーパーマーケットからすると大きなメリットの一つは「自社で0から投資を行う必要がなく、商圏を拡大できること」が挙げられるでしょう。
とくし丸を運営する上場企業は元々、食品宅配を行う「オイシックス」を運営しているのもあり、独自のノウハウを持っています。
これを毎月、少ないコストで利用ができる、という事は事業メリットとして大きいです。
【とくし丸】の弱み・デメリット
最低限の稼働と、コミュニケーション能力が必要
先に「とくし丸は後出しジャンケンのような強みがある」と表現をしましたが、もちろん、この優位性を発揮するためには、お客さまとのコミュニケーション頻度と、コミュニケーション品質を上げて信頼関係を醸成する必要があります。
とくし丸の販売パートナーは、個人事業主であるため、簡単に言えば「サボることは可能」です。
そのため、ある程度の収入を目指したいのであれば、稼働日数を増やしながら、欲しい商品をヒアリングするための最低限のコミュニケーション能力が必要である点に留意をしましょう。
完全に体調を崩すと、儲からない
とくし丸のは、基本的には毎日移動することが前提の移動販売のビジネスで、お客様とのコミュニケーションを含め、常に頭も身体も使う仕事です。
そのため、完全に身体を壊してしまうと、お金を稼ぐことは難しくなります。
しかし幸いな事に、とくし丸の販売パートナーは個人事業主の形態になるため、稼働する日数は自分で決めることができます。
無理せず、自分の体調や、プライベートの予定などと相談をしながら働くことができるのはメリットとも言えます。
辞めた人の中には、このような体調面での不調の方がいるのでしょう。
「提携スーパーマーケット」にとってのデメリット
とくし丸の事業は利害関係者が複数いることが特徴で、各地域の食品スーパーや総合スーパーと契約して、販売パートナーが配達をする仕組みになっています。
通常のフランチャイズだと、販売パートナーからロイヤリティを取ることをイメージしてしまいますが、とくし丸の場合、ロイヤリティをもらう相手は、協力する提携スーパーマーケットの方からです。
あくまでも、販売パートナーは「個人事業主」であり、加盟店という立場ではないのです。
提携するスーパーマーケットは、車両1台につき契約金50万円と月3万円のロイヤリティーを支払う事になります。
【とくし丸】の事業機会・チャンス
日本が抱える買い物難民の課題
経営効率を上げるために、収益性の低い地方からは撤退するスーパーマーケットも増えてきています。
そのため、近所からスーパーがなくなった場合は、電車やバスなどの公共交通機関を使ったり、自身が持つ自動車を使い、1番近いスーパーまで向かう必要があります。
だからこそ「お客さまの元に商品の方が向かう」というとくし丸のような画期的なビジネスが世の中で求められているのです。
シニアはネットを利用できない
「家のすぐ近くにスーパーなどの買い物ができる場所がない」という課題を解決する手段として、amazonや楽天などのECサイトの利用が考えられます。
それどころか無理して利用をしようとすると、悪質な詐欺事件などに巻き込まれてしまう可能性まであります。
頼れる家族がいない
また、家の中に代わりに買い物に行ってくれる家族がいれば良いのですが、高齢者の単身世帯は増えており、若い世代の未婚率も上昇している背景から、身内に買い物を頼むことも難しい方が増えています。
競合が弱い
近年、シニア向けの宅配サービス色々とあり、お弁当の配達などをしてくれる事業者も増えてきています。
しかし、既存のシニア向けサービスの場合メニューの種類が限られていることが多く、継続利用をし続けることは難しいです。
シニアの方に向けた事業は「リピート率が高い」という特性上、実は「継続的に高品質のサービスを提供しよう」という業者の数も少ない場合もあり、それがシニアの方の不満にもつながっています。
開業資金(加盟金)総額、開業費用総額
契約に関する費用は一切不要で、ほぼ車両購入のみで開業可能なのが、とくし丸のフランチャイズの大きな特徴と言えます。
詳細は下記に記載します。
車両購入費(基本は2駆AT、4駆の場合は変動):330~360万円
食品衛生責任者養成講習会・受講費:約1万円
諸雑費:約10万円
合計:340~370万円
※各種費用は、車の種類や、自治体によって変わってきます。
【週6日(月25日)稼働】収支モデル・手取り
週6日(月25日)稼働する場合の収支モデルは下記のようになっています。
基本的には、ガソリン代、車両保険費、レジリース、車両焼却費は固定で見ており、1日あたり売上の変動によって、利益率が大きく変動するモデルになっています。
とくし丸本部と、スーパーのサポートのもと、加盟から半年で平均日商を約8.7万円を目指すことになります。
ガソリン代は、稼働エリアや時期によって変動します。
下記のシュミレーションでは、月額5万円の減価償却として、販売パートナー手取りの収入としていますが、車の減価償却をどう考えるかによって、最終的な収入の表現が違ってきます。
最初に自己資金で全額支払った場合、毎月手元には5万円プラスされた金額が残ることになります。また、全額銀行借入れした場合は、その返済期間によって、毎月の返済額がマイナス(上記表の場合は月額5万円返済)となりますので、自身のケースに合わせて計算式を修正して考えてみましょう。
平均日販 | 販売パートナー の収入 | ガソリン代 | 車両保険費 | レジリース | 車両焼却費 | 販売パートナー 手取り金額 | 利益率 |
¥60,000 | ¥274,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥178,000 | 65% |
¥70,000 | ¥320,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥224,000 | 70% |
¥80,000 | ¥365,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥269,000 | 74% |
¥90,000 | ¥410,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥314,000 | 77% |
¥100,000 | ¥455,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥359,000 | 79% |
¥110,000 | ¥500,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥404,000 | 81% |
¥120,000 | ¥542,500 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥446,500 | 82% |
¥130,000 | ¥588,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥492,000 | 84% |
¥140,000 | ¥632,500 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥536,500 | 85% |
¥150,000 | ¥677,000 | ¥30,000 | ¥15,000 | ¥1,000 | ¥50,000 | ¥581,000 | 86% |
年収は?
販売ドライバーの年収は平均500万円程度とされています。
しかし、ガソリン代などのコストの変化や、地域によってもポテンシャルは変わります。
開業までの流れ
とくし丸本部へ連絡
事業説明・面接
とくし丸試乗、販売同行
採用
契約締結
車両発注
研修開始
開業
仕事の魅力・やりがいの口コミ・評判
お客様との信頼関係を築く上で、健康面に配慮した商品提案を行い、それによって実際に改善が見られたときには大きなやりがいを感じました。
前職では企画の仕事をしていたのですが、その際は「30代女性」などの粒度でしかお客様を考えていませんでした。しかし、この仕事をするようになってからは、商品の仕入れを行う際も「この商品があれば**さんは喜んでくれるんじゃないか?」などと想像しながら仕事ができるようになりました。それに対するフィードバックがすぐにいただけるのも日々楽しいですね!
前職では、BtoB事業を展開しており、直接最終消費者と接することができませんでした。しかし、この事業に携わることになってからは、毎日お客様と接する機会があり、直接感謝を伝えられるため、毎日やりがいを持って働くことができるようになりました。
移動販売というと、いかがわしい業者もいたりするのですが、とくし丸の場合は本部からのノルマもないのもあり、押し売りのような悪質な行為をする必要がありません。そのため、本当に役に立ちたいお客様の視点で毎日仕事をすることができるのが嬉しいです。
※各種情報は調査時点のものです。一部企業の公式ホームページからの情報を元に作成していますが、独自の調査による分析も含まれていますので、正確で詳細な情報は本部に連絡をして確認をしましょう。また、収支モデルなどの数値はあくまでもシュミレーションであり保証されるものではありません。
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