パン屋さん(ベーカリー)のフランチャイズは、子供の頃からの夢だったという理由で開業したいという個人や、
安定したマーケットであることを理由に、既存事業に加える形で、新規事業として始める企業を背景として増えています。
パン屋さんは、職人が長い修行を経て独立開業することが多いことからも、
短期間で人気のお店が作れるフランチャイズでの立ち上げには合理性があるのです。
しかし「パン屋さん(ベーカリー)」と一言で表現しても、いろいろな切り口がある奥深いビジネスであることからも、あまり一括でフランチャイズ本部の情報が見られるwebサービスがありません。
本レポートは「パン屋さん(ベーカリー)」を展開するフランチャイズ本部の特徴や、
各社の事業の強み・弱みなどを分析した、貴重な内容となっておりますので、独立・開業や新規事業の参考にしてください。
食パン専門店、一本堂
- 「高級食パン」の市場はブームも落ち着き、市場も下火になりつつあるが、一本堂の場合は「日常食」となっているので、根強い人気がある業態。
- 「食パン専門店」だが、細かく分けると30種類くらいの食パンを作っているので多様なニーズの取り込みができる。
- 常に焼き立てを提供できるので、競合他社よりも美味しい状態で商品を提供できる。
- 一本堂の場合は、多機能な食パンを取り揃えてはいるものの、あくまでも「食パンだけを売りにしている」ため、廃棄が少なく済む。
- 売上に対して40~45%程度が原材料費なので、原材料費だけ見てしまうと、通常のパン屋よりも高く見える。
しかし、原材料費が高い代わりに、通常のパン屋が生地を作り、焼いたりする部分で大きくかかる人件費が低くできる。
原材料費が高く見えるのは、生地をこねくり回すような部分の人件費のカット分が原材料に乗っているからだと考えるべき。 - 一般的なパン屋の場合は、多くの種類のパンを製造する関係からも、店舗がかなり広めであることが多い。
しかし、一本堂の場合は、扱う商品は基本的には食パンだけですから、比較的小規模な店舗で経営をすることができる。 - 一本堂の場合は、扱う商品は基本的には食パンだけなので、投資する設備が少なくて済む。
- 一本堂では、お手頃価格で、品質の高い食パンを提供するため、実に80~90%がリピートをしてくださる商売。
食パン専門店、一本堂のフランチャイズ(FC)の独立・開業・起業情報を開業資金や収益サポート体制、口コミ・評判まで徹底解説!/ifc株式会社
株式会社アールベイカー(R Baker)
- 株式会社アールベイカーの強みは「マーケティング力の高さ」にある。
飲食事業者が弱いインターネットの知見を多く有しており、アプリやLINEなどを活用した、顧客の資産化に成功している。
アプリの会員は、事前注文によるキャッシュレス決済や、ポイントの獲得ができる。
加えて、顧客情報に応じて、相性の良い商品をおすすめすることによって、顧客単価を上げることや、
アプリのプッシュ通知機能を活用することによって、利用頻度を向上させる事ができる。 - 店舗の機能は「店内飲食」「テイクアウト」「デリバリー」の大きく3つに分けられる。
この機能の組み合わせで、複数の業態を生み出している。 - 業態は複数あるが、大きく分けると「物販限定店舗」や「カフェ等の店内飲食と、物販を両方扱う店舗」の2つが特に目立つ業態である。
株式会社アールベイカー(R Baker)のフランチャイズ(FC)の独立・開業・起業情報を開業資金や収益サポート体制、口コミ・評判まで徹底解説!
牛乳食パン専門店みるく
- 金子乳業有限会社が運営する「みるく」は、牛乳食パン専門のフランチャイズである。
- 牛乳食パン専門店みるくであれば、最先端の設備により生産効率であることから、
出勤時間が9時からと、パン屋としては遅い時間からでも、年商8000万円を稼ぐ事が可能とされている。 - わずか6日間の研修で食パンを作る事ができる。
- マーガリン・保存料・香料・乳化剤が使われていないため、健康志向の顧客や、子供でも食べることができる。
牛乳食パン専門店みるくのフランチャイズ(FC)の独立・開業・起業情報を開業資金や収益サポート体制、口コミ・評判まで徹底解説!/金子乳業有限会社
食パン専門店ル・ミトロン食パン
- 高級食パン専門店の初期費用は3000~5000万程度とされているのに対して、食パン専門店「ル・ミトロン食パン」の初期費用は約1,200万円から開業できるため、小資本での独立が可能である。
- 「ル・ミトロン」は、横浜で大人気のパン屋でありブランド力が高い。
- 食パン専門店ではあるものの、チーズ・小倉・レーズン・アップル・カスタードなど多様な食パンが提供されている。
食パン専門店ル・ミトロン食パンのフランチャイズ(FC)の独立・開業・起業情報を開業資金や収益サポート体制、口コミ・評判まで徹底解説!/ベーカリーイノベーション株式会社
デイリーヤマザキ
- デイリーヤマザキは「パン専門店」ではないが、フランチャイズ本部は「山崎製パン株式会社」であるため、コンビニ業態でありながら、街のパン屋にも負けない商品力がある。
- 一般的なコンビニとは違い、店内で商品を手作りするスタイルであるからこそ、いつでも新鮮で出来立ての美味しい料理を提供する事ができる。
- 固定客が全体の80%とされており、リピート率が高い事がデイリーヤマザキの強みとなっている。
- パン屋さんや、ベーカリーなどとは違い、パン以外にも、コンビニとしての物販収入が広い商品カテゴリから得られるのが強み。
デイリーヤマザキのフランチャイズ(FC)の独立・開業・起業情報を開業資金や収益サポート体制、口コミ・評判まで徹底解説!/山崎製パン株式会社
リトルマーメイド
- 冷凍生地を使うことで生産性を上げており、国内で約270店舗を出店するまで拡大をした。
- 1972年にオープンしている老舗起業であり、現在では従業員数も約1000名いる、業界大手へと成長している。
- リトルマーメイド以外にも、「ロッド」など、それぞれ強みが異なるパンのフランチャイズを複数展開している。
- 石窯オーブンの設置も行っており、遠赤外線効果で焼き上げられた外と中の食感の違いに定評がある。
- 毎月15日は「リトマの日」として700円の購入ごとに、コーヒーやスープがプレゼントされる企画が行われている。
これが、今まで試したことがなかった商品を試すキッカケとなることで、顧客単価が上がり、リピート率も向上する効果があると考えられる。
コンセルボ
- 冷凍保存されたパン生地の解凍をして、成型をし、発行をさせて焼成するのが基本的なオペレーションである。
- 成型が終わった冷凍生地を焼き上げるだけのオペレーションのフランチャイズもあるが、成型の工程から加盟店が行う点が競合との相違点であり、店舗のオリジナリティーの高さにも繋がっている。
- コンセルボのフランチャイズは店舗の立地や規模に応じて、ベーカリーと ベーカリーカフェの2業態から決めることになっている。
- 新規開業だけではなく、既存店を活用した形でフランチャイズに加盟することもできる。
- 個人でも企業でも加盟ができる。
- 契約期間は一般的な飲食系フランチャイズよりも短く、契約締結時から1年間となっているため、比較的加盟をしやすいメリットがある。
- 加盟金は税込で110万円と、保証金最低100万円となっており、比較的小資本で開業できるパン屋のフランチャイズと言える。
新規での開業の場合は、この費用以外にも物件取得費・内装費・外装費・厨房設備費・求人広告費、備品消耗品等がかかる。
収支モデル(月間)
売上 | 350万円 | 100% |
原材料・容器包装費(廃棄ロスが含まれている) | 174.8万円 | 49.9% |
粗利 | 175.2万円 | 50.1% |
人件費(オーナーの人件費は、オーナー自身が入店した場合これに含まれる) | 111.7万円 | 33.1% |
賃借料 | 39万円 | 11.1% |
水道光熱費・消耗品・通信・交通費 | 10.3万円 | 2.9% |
その他費用(保険料など) | 0.5万円 | 0.1% |
減価償却費 | 7万円 | 2% |
営業利益 | 2.7万円 | 0.8% |
伊三郎製ぱん
- フランチャイズと加盟店を合わせて全国で45店舗を展開している。
- 「感動の100円ぱん」がコンセプトとなっており、非常に安い価格で提供していることが伊三郎製ぱんのフランチャイズの最大の特徴である。
- 冷凍生地の利用をするパン屋のフランチャイズは多いが、冷凍生地には時間の経過とともにパサつきが生まれやすいデメリットがある。
伊三郎製ぱんのフランチャイズでは、チルド保存で発酵させた生地を使っているため、しっとり・もちもち食感がキープされることが強みとなっている。 - 菓子パン・調理パン・食パン・クロワッサン・サンドイッチ・フランスパン・スイーツなどが多数用意されており、新商品の投入や、季節限定商品も扱っている。
- 地域限定メニューなども用意されており、エリアによっても、商品群が異なる。
- 性別年齢問わず食べられるメニューが取り揃えられている。
企業名 | 株式会社 伊三郎製ぱん |
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代表者 | 代表取締役 橋本秀恒 |
所在地 | 福岡県久留米市長門石3丁目1-18 |
創業 | 昭和23年(1948年)4月 |
設立 | 令和4年(2022年)8月 |
事業内容 | 株式会社伊三郎製ぱん・パンの製造・販売に関する一切の事業 |
資本金 | 1000万円 |
事業所 | <京都伊三郎製ぱん> 1.亀岡店(京都府)、2.住吉店・高槻店(大阪府)、3.長門石店・和白店・福津店・くりえいと宗像店、4.宮崎店・都城店(宮崎県)、5.霧島店(鹿児島県) |
パンブロー
- 開業までの間は、一般雇用として、研修期間が1年程度用意されており、競合他社と比較すると、研修が極めて充実していることが特徴。
- 同一業務の経験がある人か、飲食経験のある人が応募資格として挙げられているため、飲食業界未経験者では開業ができない。
- 代表取締役の川角淳氏は元々ホテルの和食調理人だったところから、苦労をしてパン屋を成功させた。
ロンドン
- 業界経験がなくても、美味しいパンを作れるシステムが整っており、加工作業を全てセントラルで実施することで、冷凍パンが配送される仕組みになっている。
- 冷凍パンの解凍は、-10~10度の間で行われ、発酵は40分~50分、30度~40度、湿度は70~80%で行われる。
- 焼成は10~25分程度、オーブンで行う形となり、焼きたてのパンを提供できる。
- 食パン・ロールパン・デニッシュ・欧風パン・菓子パンなど、多様なニーズに対応できるようバラエティ豊かな商品構成となっている。
- 契約前の立地調査力が高く、候補地の商圏を設定し、人の流れや競合調査を行い、売上の見込み額などを計算する。
その算出の結果が基準以下だと加盟店のためにもならないため、出店ができないケースもある。 - 資金調達においては、公庫借入方法のアドバイスももらえる。
- 契約後の研修は、本部での約3日間と、実地での研修が約4週間行われる。
- 開店の約1週間前から、設備機器のチェックや、パートなどの従業員の研修指導が行われる。
パートだけでも運営ができることがメリットである。 - 開店当日は、オープンセレモニー・顧客対応など、本部の経験豊かな担当者がアドバイスをしてくれる。
手づくりカツサンド浪漫館横浜
- ヒレカツと新鮮な野菜と、焼きたての食パンが使われた、こだわりのカツサンドが人気のベーカリー。
- パン屋は、朝と昼の売上がメインとされることが多いが、浪漫館横浜のカツサンドは、ビールやワインにも合う仕上がりになっているため、夜の時間帯も売上が見込めるのが強み。
- 東京都・千葉県・埼玉県・栃木県・神奈川県・茨城県・新潟県で、約50店舗の展開がされている。
※各種情報は調査時点のものです。独自の調査による推測の情報も含まれていますので、正確で詳細な情報は本部に連絡をして確認をしましょう。また、収支モデルなどの数値はあくまでもシュミレーションであり保証されるものではありません。
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