ハウスクリーニングの独立・開業に必要な準備とは?費用・手順・戦略を解説

多くの人が、自宅の掃除にストレスを感じ、苦痛を感じているのではないでしょうか。
ハウスクリーニングのような清掃業を始めることで、個人や法人に求められている、巨大な市場に参入することができるようになります。
ハウスクリーニングの需要は、景気の変動に関わらず、常にあります。

初期費用が少なく、運営コストも低く、継続的な需要のあるため、
起業や新規事業を始める場合、クリーニング業は良い選択肢です。

清掃業は他の業界に比べて、初期費用が安い傾向にある代わりに、事業開始直後は控えめな利益になりやすいデメリットがあります。
しかし、顧客の継続率が高いため、運営年数を重ねるごとに利益を積み重ねて、事業規模としても大きくしていくこともできる数少ないビジネスのひとつです。

特殊な洗浄剤や器具を除けば、ほとんどの清掃の仕事は、家庭の家事と同じ製品や道具を使用できます(業務用を利用することもできます)。
一般的な家庭やオフィスの清掃では、正式なトレーニングや資格は必要ありませんが、
だからといって、この仕事が簡単なわけではありません。
もし簡単なら、クリーニングの市場は、これほど大きくなっていないでしょう。
とはいえ、掃除は、儲かる余地も大きく、やりがいも大きな事業です。

以下に、清掃会社をゼロから始める方法について徹底的に解説をしていきます。

目次

ハウスクリーニングの独立・開業をするために行うべきこと

独立・開業の大まかなスタイルを考える

  • どんなクリーニングサービスを提供したいかを事前に決めておく必要があります。
    クリーニングサービスには、1人で行うものから全国チェーンのものまで幅広くあります。
    比較的簡単な家庭用クリーニングから、美術品の清掃・高圧洗浄・工業用カーペットクリーニングのような、専門的なサービスまで、さまざまなものがあります。
    そのため、経験の有無や、スキルのレベルに合わせて、サービスの焦点を絞るべきです。
  • 個人事業主として独立開業する場合は、法人顧客も多い大規模組織と比較すると、主に少数の個人宅の顧客のために仕事をします。
    個人事業主として事業を行うなら、初期費用も運営費も少なくなります。
  • 個人事業主の中には、顧客と仕事のスケジュールが決まっていて、毎週の頻度で仕事を取る人もいます。
    また、短期間や1回限りのサービスを、1日や1時間単位で提供する個人もいます。

    個人として独立した場合、顧客との信頼関係を築くのは自分次第ですが、フランチャイズなどよりも自由度は格段に高くなります。
  • 経験がない場合や、スキルが低い場合は、ハウスクリーニングのフランチャイズを検討してもいいでしょう。
    フランチャイズで独立開業する場合、長所と短所があります。
    フランチャイズ本部によっては、大きな初期投資が必要になるかもしれませんが、
    長期目線だとフランチャイズとして独立開業をする方が利益額が大きくなることもあります。
    すでに成功を収めている有名ブランドのもとで事業を行うことで、顧客は安心感を得やすいです。
  • 清掃業には、個人で行う家庭用清掃業者から、産業用清掃の専門業者まで、さまざまな業種があります。
    清掃業を始めるには、組織の規模、設備の費用、開業エリアにおけるの競争率などによって、初期投資が変わってきます。
    そのため、早い段階で事業コンセプトを決めることが重要です。
    数人以上の組織規模で行う場合は、一人で行うサービスよりも、より多くの経営の仕組み作りが必要になります。
  • 掃除は「簡単な仕事」のイメージがある人もいますが、大変な仕事です。
    その為、いきなり独立開業するのではなく、副業やボランティア(家族や知人の手伝いなど)として、数日間のお試し労働をしてみて、自分がこの仕事に向いているかどうかを確認しておくとよいでしょう。

    その上で、本業としては活躍が難しそうであれば、あくまでも「副業」という立ち位置で、週末だけ仕事をする選択肢もあります。
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市場を調査して、選定する

  • 提供するサービスは、地域の需要に加え、自分のスキルのレベルを考慮して考える必要があります。
    たとえば、清掃の仕事に徒歩で通う必要がある場合は、通勤に便利な範囲を設定し、その範囲に絞って市場調査を行います。
    車や公共交通機関を利用できる人は、より柔軟な対応が可能です。
    自宅からの徒歩圏内で食べられるくらいのクライアント数を確保するのは難易度が高いため、車両を用意する方が一般的です。
  • 競合他社を調査することは、ビジネスを計画する上で基本的なことです。
    クリーニングビジネスを始めようと思ったら、まずは自分の住んでいる地域のクリーニング会社を調査する時間を取るべきです。
    提供しているサービスの質を自分で体験するほか、既存の競合が行っていないようなサービスに目を向けてみてください。
  • クリーニング業界では、家庭用クリーニングと商業用クリーニングの2つが大きく分かれています。
    一般的には、家庭用クリーニングは、商業用クリーニングよりも参入しやすいです。
    商業用クリーニングの市場は、通常、既に大手の清掃会社がシェアを握っています。
    資金力があるためクライアントの獲得予算も大きく、広告宣伝の予算も膨大だからです。
    ただし、アパートや一戸建て住宅など、市場を絞り込む事で、大手清掃会社が受注できない法人顧客を見つけることもできます。
  • 家庭用クリーニングと商業用クリーニングの違いの1つは、従業員の労働時間帯です。
    家庭用クリーニングの場合は、日中の仕事が中心となりますが、
    商業用クリーニングの場合は、商業施設などが営業を終了した後の夜間や、開業前の早朝となるのが一般的です。
    商業用クリーニングの場合は、比較的週末などの休日が多くなります。
  • 商業用クリーニングの場合、施設のタイプにもよりますが、
    床の洗浄、バスルームの清掃、ゴミ捨て、キッチンエリアの清掃、ドアや窓の洗浄などが業務内容となる事が多いです。

    仕事量が安定しており、報酬も高いのがメリットです。
  • 家庭用クリーニングの場合、通常は顧客が在宅している間に仕事をします。
    ほとんどの家庭は週に1回程度しか掃除する必要がなく、単価も低めであるため、
    商業用クリーニングの場合よりも、顧客数を多く持つ必要があります。
    一方で、法人相手よりも、契約がしやすく、営業ができる数も多いというメリットがあります。
  • 既に資金力のある法人の新規事業などではない場合、殆どのケースで、最初の仕事は自分一人で行うことになります。
    そのため、仕事を依頼するクライアントは選ばなければなりません。
    コネを使って、大きな施設を受注することができても、そのような仕事の場合、
    一人で掃除するには膨大な時間がかかるでしょうから、やめた方がいいでしょう。
  • 業務用厨房の清掃・環境に配慮した清掃・高級絨毯・陶磁器のクリーニングなどは、専門知識や技術が求められます。
    その為、すでに経験がある場合など、限定的なケースでのみ行う事ができます。

    勝ち筋が見えていないにも関わらず、専門的な市場に無謀なチャレンジをしてしまうと、
    専門機器や、専門知識習得のトレーニングなどのコストが大きく、初期投資を回収できないこともあります。

ハウスクリーニング事業の価格戦略

  • 段階的な価格設定:サービスを段階的にして、それぞれのレベルに応じた価格帯で提供。従業員の習熟度、口コミの評価が良い従業員などは高価格で発注をしてもらう事も一例である。
  • ボリューム・プライシング:大規模な清掃作業や、一度に長期間のサービスを発注してくれる顧客に対して割引をする。
  • ダイナミック・プライシング:需要と供給に基づいて価格を調整する。何らかの外部要因の変化によって、需要量が急激に増えた際、価格を大きく引き上げる。繁忙期の単価上げは分かりやすい事例である。
  • バリューベース・プライシング:特定の顧客層に向けて、高付加価値サービスなどを提供する事で、顧客が感じる価値を上げ(支払い意欲を上げて)、原価にとらわれず高単価で受注する。

報酬形態、提供価格を決める

  • 地域で1番安いハウスクリーニング業者は、1番忙しくなるかもしれませんが、1番利益を生む会社なる訳ではありません。
    人件費、材料費、諸経費を考慮し、自分のサービスにいくらにすれば利益が最大化するかを考えましょう。

    客数を伸ばすと「働いてる」と思いがちですが、それは「忙しいだけ」です。
    経営者の使命の1つは「利益を伸ばすこと」だと肝に銘じましょう。
    安売りに逃げてはなりません。儲からない会社になるだけです。
  • 価格を決める際は、自身が提供する際のコストから考える必要もありますが、
    同時に競合企業がどれくらいの価格で提供しているのかも参考にしなければ、顧客には選ばれません。
  • 報酬形態としては、時間単位、清掃面積単位、清掃対象単位、定額制の4つがあります。
  • 報酬形態は、メイン顧客の属性や、競合などによっても、大きく変わります。
    例えば、業務用の床掃除などの場合は、床の材料や面積によって料金が設定されたり、
    窓拭きの場合は、建物の窓の大きさや、窓の数に応じて料金を設定することがあります。

まずは自分で、クライアントを獲得して、掃除を行う

  • ハウスクリーニング事業を始めようとするとき、業界未経験者は、いきなり人を雇って、
    清掃員を派遣するビジネスとして事業を始めようとするかもしれませんが、ほとんどのケースで失敗します。

    クリーニング業界における輝かしい実績や、経験がないのであれば、いきなり経営者として、
    高度な意思決定だけに集中をするのではなく、まずは泥臭く自分で仕事をすることから始めましょう。
  • 最初の数人の顧客を獲得する1つの方法は、友人・家族・親戚・元同僚に仕事の紹介を依頼することです。
    開業者が誠実に生きてきたのであれば、応援をしてくれる人も多いです。
    率直な感想をもらうことを条件に、無料で引き受けることも、サービスの品質を上げるために1つの手です。
    知り合いに清掃員として働いている人がいれば、その人に仕事を同行してもらい、自分の仕事ぶりを確認してもらう事で改善をすることもできます。
  • 最初の数人のクライアントを自分で探し、仕事をすることに専念することで、コストを低く抑えることができます。
    従業員を雇うためにお金を投資する代わりに、まずは自分でも顧客に受け入れられるサービスを作り上げる事で、従業員を雇った後に、事業規模を拡大するためのノウハウを学ぶ事ができるようになります。
  • まず、自分で顧客で少数のクライアントを持つことで、良い評判を作ることが重要です。
    ビジネスが軌道に乗り始めたら、大きな規模の掃除の仕事を請け負うことができるようになります。
  • 従業員を外注し、自分が他の業務に従事している間、常連客にサービスを提供することもできますし、自社で従業員を雇うことで拡大する事もできます。

事業計画を立て、初期費用・開業費用を考える

  • ハウスクリーリング事業を立ち上げる際は、必ずしも資金調達を必要としないことから、事業計画を立てる必要もありません。
    しかし、事業を始める際に事業計画の作成に時間をかけた起業家は、その通りに事業を軌道に乗せる確率が2.5倍高くなるというデータが取れており、資金調達の有無に限らず、計画を立てることをお勧めします。

    事業計画を作ることで、改めて起業の目的、市場戦略、財務、オペレーションの考えをまとめる事ができます。
  • まず、ハウスクリーニング業界で独立開業をしようとする多くの人が抱く疑問は、
    「資金がなくてもクリーニング会社を始められるのか?」
    「資金調達が必要なのか?」
    「コストを抑えるにはどうしたらいいのか?」
    「この業種に適した事業形態は何か?」
    ということです。

    結論としては、お金はかかりますが、想像よりは、ずっと安く済みます。
  • 借金をしないように、自己資金で事業を始めるのが理想です。
    しかし、車両や実店舗を持つクリーニング事業を始める場合は、そうもいかないかもしれません。
    どのようなビジネスを始めるにしても、会社が失敗した場合は負債を返済しなければならないことを忘れないでください。
  • 初期費用が自身の貯金等で賄えない場合は、友人や家族からお金を借りたり、ローンを組んだりする必要があることも少なくありません。
    王道の調達方法ではありませんが、コンセプトによっては、クラウドファンディングなどの調達も選択肢に入ります。
  • 目指したい事業の規模にもよりますが、クリーニングサービスの初期費用は比較的、他の業界よりは低く抑えることができます。
    事業開始当初は負債を最小限に抑え、収益を上げながら、徐々に調達額を増やしていき事業を拡大することもできます。
  • ハウスクリーニング領域で独立開業する場合は、初期費用・開業費用として、
    クリーニング用品・広告・保険・加盟金やロイヤリティー(フランチャイズの場合)などがあります。
    消耗品は通常、大型量販店で安価に購入することができます。
  • 作業中に何かが壊れた場合は、誤魔化さずに、直ぐにクライアントに知らせ、クライアントに弁償してください。
    特に起業したての技術の習熟度が低い時期や、業界未経験者の新規採用を行なった際などは、誤ってクライアントに損害を与えてしまうことがあります。
    そのような場合、保険に加入していないと、借金を作ってしまうリスクがあります。
    逆に、トラブルがあった際に迅速かつ、誠実に対応することで、リピート率を上げられることもあります。

    保険には、損害賠償責任保険の他も、車両保険、労働者災害補償など、
    多様なものがあるため、それぞれ内容や業者の比較をしっかりと行い導入を決めましょう。
  • 開業後に、事業を継続して運営するには、基本的に消耗品と交通費が2大経費となります。
    従業員を雇う場合は、これらの費用に加えて、人件費が大きくかかります。
    また従業員を抱える場合は、社用車を複数台持ち、消耗品も人数分用意する必要があるため、初期費用がかなり高くなることに留意しましょう。
  • 清掃業のような移動型のビジネスは、仕事をするために営業場所への訪問をする事が不可欠となります。
    ほとんどのハウスクリーニング業者は、クリーニングの仕事への行き帰りが発生することを想定しているので、交通手段の手配が必要になります。
    中古車やリースを活用することで安く抑えることもできるでしょう。
  • 従業員を雇う場合は、人件費・給与を考慮し、オーナーとして税金や保険料を準備する必要があることも念頭に置いてください。
    脱サラをして独立開業をする際は、税金対策の知識が薄いため、対策が疎かになりがちで、
    せっかくの事業予算がすぐに消えてしまう事が多いので、特別注意が必要です。

購入する機器・機材を決める

  • 顧客になる自宅や会社の清掃に必要な材料や清掃用品の種類を考えてみましょう。
    開業する際には、洗浄液・スポンジ・たわし・保護手袋・使い捨てまたは再利用可能なタオル(またはその両方)・モップ・ほうきなどの掃除用具が必要です。
  • 必要なものは、事業の専門性によって異なりますが、多くの場合、モップ・窓拭きクリーナー・ラテックス手袋・ペーパータオル・ブラシなどが必要です。
    事業規模が拡大すれば、メーカーから直接購入できる場合もあります。
  • 法人顧客や、専門性の高い場所や商品を清掃する場合は、発注者から洗浄剤などを指定されることもあります。
  • お客様の家で漂白剤などの従来の洗浄剤を使用するのか、それとも環境に配慮した「グリーン」な製品を使用するのか、購入する洗浄剤の種類を検討しましょう。
    顧客宅での二次汚染をどのように防ぐか、使い捨ての材料を使うか、どのように衛生管理を徹底するかなどを決め、それに基づいて備品を購入する計画を立てましょう。
  • クリーニングの仕事をするには、消耗品の取り扱いも多いです。
    その在庫量については、複数の仕事をこなすのに十分な量の備品を用意することと、
    家賃がかかっており、限られている貴重な保管スペースを無駄にしないようにする事の2つの観点が重要です。

    目安としては、1週間分の仕事をこなすのに十分な在庫量は手元に置いておくとよいでしょう。
    そうすることで、予想外の需要に対応するため対策にもなり、仕事の途中で物資が足りなくなることも防ぐことができます。
  • 下記に、ハウスクリーニング事業を行うのに必要な物の例を挙げますが、その種類の多さに圧倒される必要はありません。
    最初から、高級品を購入したり、必要のないものまで多く買う必要はありません。

ハウスクリーニング事業を行うのに、必要な道具の例

  • ゴムまたはラテックス製の手袋
  • ゴミ袋
  • ペーパータオル
  • スポンジ
  • クリーニングタオルまたは雑巾
  • マイクロファイバークロス
  • スクラビングブラシ
  • ダスター
  • 伸縮自在のポール
  • 掃除機
  • ほうきとちりとり
  • モップ、バケツ
  • 漂白剤または消毒剤
  • 万能クリーナー
  • 石けんカス除去クリーナー
  • トイレットクリーナー
  • ガラスクリーナー
  • スプレーボトル
  • マスク

オフィスを借りるか、自宅で開業するか決める

  • 自宅の一室で開業することも、物件を商業用に借りて開業することもできます。
    それぞれに長所と短所があるので、自身のケースでは、どちらが最適かをよく考えてから決めましょう。
  • 自宅で仕事をするのであれば、お金は多少節約できますが、クリーニング器具を家に保管する必要があることに留意しましょう。
  • 商業用の場所を借りて開業する場合、プロフェッショナルな雰囲気の空間でクライアントに会ってもらうことができますので、顧客とオフィスで会うことで収益性が高まる場合は自宅ではなく、オフィスを借りるべきです。
  • 店舗を構えることで、広告宣伝やブランド構築にも役立ちます。あなたの名前とロゴを表示することができるようになりますドライブが過去に表示するために皆のために。

新しいクリーニング会社のブランド名を決める

  • 個人事業主の場合、自分の名前で仕事をすることができますが、
    事業を大きくしたいのであれば、ブランド化できる名前をつけるのが得策です。
  • ブランド名を決めるのは、クリーニング業を始める上で最も楽しい部分かもしれません。
    自身の名前の一部または全部・風変わりで楽しいニックネーム・地理的な場所や提供するクリーニングサービスの種類(住宅クリーニングサービス、商業クリーニングなど)に基づいたものなどを参考にするのが一般的です。
  • ブランド名は、次のような要素を満たすことを考えるべきです。

    – 会社が大切にしている価値観を的確に表現している
    – 簡単で覚えやすい
    – すでに使用されていない
    – 読んだ時の、音がキャッチーで心地よく聞こえて、呼びやすい
  • 特に「すでに使用されていない」というポイントが重要です。
    そのためにも、まずは名前をネットで検索する必要があります。
    もし、他社がすでに同じ名前を持っている場合は、その名前を使うと、
    たとえ意図せずとも、法的な問題が発生することがあります。
  • もし、誰にもつけたいブランド名が使われていない場合、商標登録などをして、後から競合が同じ名前を使わないように対策をしていきましょう。

マーケティング・広告宣伝を開始する

  • 利益額を1番増やしやすいのは、新規顧客を獲得するのではなく、リピーターを増やす方法です。
    毎回新しい顧客を見つけて、1回きりの顧客を毎月お金をかけて集めるより、1度でも依頼された顧客の依頼頻度を増やす方が、はるかに簡単です。
    リピーターを確保するために、リピート利用に対する割引を提供したり、10回や15回の複数クリーニングのパッケージを最初から販売することを考えるべきです。
  • ハウスクリーニング業者の新規顧客獲得のためのマーケティングは、口コミのような簡単なものから、地元紙やネット広告を掲載するような複雑なものまであります。
  • 清掃が必要な法人は、既に大手が押さえていることもありますが、不満を抱えているケースも少なくありません。
    その為、自社が対応可能な商圏内(移動で通える範囲や、フランチャイズ本部に決められている範囲)の法人顧客をリストアップして、自身で電話営業をかける事でクライアントを獲得する方法があります。
  • 古くからある手法ですが、チラシを印刷して郵便で送ったり、看板を出したりする方法も、いまだに有効な顧客獲得手法です。
  • 最近では、サービスの宣伝のために、ウェブサイトやメールでキャンペーンを配信したり、デジタルマーケティングに投資するオンラインでの広告活動が主流になりつつあります。
  • すでに1人か2人の顧客がいる場合は、満足した顧客からの紹介を求めることができます。
    クリーニングサービスに満足した顧客には、Facebookページをシェアしてもらったり、興味のある友人に渡すために名刺を配ることを検討してください。
    満足した顧客の手書きの口コミなどをホームページに載せるのも1つの手です。
  • 紹介クーポンや割引を提供することで、既存の顧客がより多くの仕事をあなたに向けるように促すこともできます。
  • 社用車にステッカーやラッピングを施し、動く広告塔として活用できます。
    公共の場に停めておけば、通りすがりの人にサービスを知ってもらうことができます。
  • ホームページや、SNSに、掃除のノウハウ動画・ビフォーアフター写真・などのコンテンツを定期的に投稿しましょう。これらは無料もしくは低価格で始められるため、予算があまりない場合でも少しづつ行う事ができます。
  • 忘れずに、Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)も設定しましょう。
    これにより、ブランド名や法人名を検索したときに、Googleの検索結果で表示されるようになります。
    また、満足したお客様に、レビューをしてもらう事で、集客力を上げられます。

ホームページを作る際のポイント

  • ブランド名、ロゴ、キャッチフレーズを目立つように掲載。
  • ロゴとサイト全体の色を近しくすることで、視覚的なまとまりを持たせる。
  • 「会社概要」ページを提供すること。
  • 提供するサービスの特徴を説明する「サービス」ページを作る。
  • ホームページのどこからでも簡単に依頼や商談の機会を持てる「お問い合わせ」ページを作る。
  • Twitterやfacebookなどに、サイトを紹介しやすいように動線を設置しておく。

顧客との関係性構築

  • 清掃は、汚れを落とし、表面をピカピカにするという、ある意味で分かりやすい職業です。
    潜在顧客や既存顧客の要望に応え、サービスや見積もりの依頼に迅速に対応し、リピーターを確保するためには顧客のフォローをすることが必要です。
  • クリーニングビジネスは、技術面の磨き込み以外にも、顧客とのコミュニケーションが重要です。
    メール・電話・ウェブサイト・ソーシャルメディアなど、これらのツールを組み合わせることで、
    特にビジネスを始めたばかりの段階から、企業への働きかけや顧客満足度を高めることができます。

業務効率化

  • 清掃会社のオーナーになると、清掃作業・許可証や書類の提出・清掃用具の補充など、多くの業務に時間を割かれることになります。
    しかし、顧客のニーズに応え、消耗品を買い揃えるだけでなく、予算の管理・従業員のスケジュール管理・顧客からの請求書の処理・関連する口座情報の記録・税金やその他の事業費用の計画も必要です。
  • 清掃業を始めるにあたって業務効率化ソフトなどを使えば、紙とペンを使った方法よりも少ないストレスで事業を整理し、監督することができます。
    従業員や契約者のスケジュール、顧客リスト、支払い情報をエクセルで管理しようとすることを想像してみてください。エクセルの操作などに長けていても、すぐに面倒になり、混乱してしまいます。
    そのため、適切な業務効率化ソフトを使うことで、手間を減らし、本当に事業を伸ばす業務にだけ集中することができるようになります。

従業員を雇って、事業規模を拡大させる

  • 小さく1人からでも、独立開業ができる事がクリーニング事業のメリットですが、
    顧客の継続性も比較的高く見込める事業内容でもあります。

    その為、自分だけでは顧客の対応ができなくなったら、
    従業員を雇って、事業規模を拡大させることを選択肢に入れるべきです。
  • 家族に手伝ってもらうことも選択肢ですが、最終的には、従業員を雇う事で、オーナーの仕事を減らしてもらい、
    お客様へのサービス内容の改善や、事業の戦略を考える時間に集中できるようにするべきです。
  • 従業員の募集を始める際には、自分と将来の従業員の役割と責任を理解できるようにしておきましょう。

    マーケティングが得意ではないオーナーは、自身で新しく学ぶか、
    マーケターを雇い、集客戦略を手伝ってもらうことを検討しましょう。

    大切なのは、職種別に採用を無作為に行う事ではなく、オーナーが経営する上で欠けている分野の専門家である従業員を雇うことです。
  • また、正社員とパート・アルバイトの、どちらを採用するかも決めておく必要があります。
  • パート・アルバイトの場合は正社員よりも低いコストで済むのがメリットです。
    その為、業務内容にもよりますが、まずはパート・アルバイトの採用から始められるのが理想です。
  • 求人広告を作成し、Indeedなどの就職情報サイトや、理想の社員がよく利用する場所で広告を出す方法があります。
    自社で、求人広告を出す以外にも「派遣会社」「人材紹介会社」「スカウトサービス」などの活用によって人材の確保をすることもできます。
  • 採用をするだけではなく、採用をした後の教育体制なども事前に用意することが大切です。
  • 他にも、ハウスクリーニング事業を行う上で、向いている人材の特徴を下記に挙げておきます。
    経営者にも共通して必要な素養でも、あり従業員にも求められる特徴です。

ハウスクリーニング事業に、向いている人材の特徴

  • 信頼性:クリーニングはサービス業であるため、信頼できる人柄で、シフトに時間通りに来る従業員が必要です。
  • 細部にまで気を配る:清掃は細部にまで気を配る必要があるため、自分の仕事に誇りを持ち、細部にまで気を配ることができる従業員を探すことが重要です。
  • 体力があること:掃除は体力を必要とする仕事です。そのため、健康的で、体力がある従業員が好ましいです。
  • 仕事が雑ではないこと:掃除は大変な仕事なので、前向きな姿勢で、仕事を丁寧にこなそうと努力する従業員が必要です。
  • コミュニケーション能力の高さ。どのような仕事でもコミュニケーション能力は重要ですが、特に清掃業では的確な指示ができたり、指示を理解できる人材が重要です。

競合企業との、面白い差別化の事例・切り口

  • 単純にハウスクリーニング事業を始めようとするだけでは、エリアによっては競合が多く、価格を下げたり、そもそもクライアントが見つからないケースも多いです。
  • しかし「専門性の切り口」を少し変えるだけで、競合が一気に減り、事業が伸ばせるキッカケになります。
  • 下記の切り口以外にも、接客レベルや、清掃速度、清掃品質、価格など、さまざまな切り口が考えられます。
  • プール清掃
  • 墓地の墓石クリーニング
  • 家電クリーニング
  • 各種車両クリーニング
  • ボートのクリーニング
  • 廃棄物処理
  • エアダクト、ドライヤーベントクリーニング
  • 美術品クリーニング
  • 外装クリーニング
  • 賃貸物件・Airbnbのクリーニング
  • 内見用クリーニング
  • 環境に配慮したクリーニング
  • ペット等の動物が出入りする場所のクリーニング
  • 工事後の清掃
  • マットレス・家具クリーニング
  • 災害や有害廃棄物の清掃

ハウスクリーニング業で、独立開業をする前に確認するべきチェックリスト

  • 一人でやっていく会社でか、複数の拠点や従業員を抱える大規模組織にするつもりの会社か?
  • 設定した価格は、コストを吸収して、利益を出せる水準のものなのか?
  • ビジョンがあるのか?
  • どんなコンセプトのハウスクリーニング業を始めたいのか?
  • 事業が解決できる問題や課題は何か?
  • 開業したいクリーニングは自身のスキルで実現可能なのか?
  • 開業エリアでの競争はどの程度なのか?
  • 開業エリアの平均的な価格帯はどの程度か?
  • 損益分岐点は、どれくらいか?
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